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日本仏教の可能性―現代思想としての冒険 (新潮文庫)
 
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日本仏教の可能性―現代思想としての冒険 (新潮文庫) [文庫]

末木 文美士
5つ星のうち 4.7  レビューをすべて見る (3件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容(「BOOK」データベースより)

ハイテク化が進む中で、日常が複雑になっている。体温がなくなった世の中で、人々は健全に生きることが難しく、心の置き場を見つけることができない。かつて生活とともにあった仏教は、いま、私たちにどのように関わり、道を示すことができるのだろうか。葬式、禅、死者―。生活に根付く仏教的なキーワードを取り上げ、新時代における意義と可能性を探るスリリングな連続講義。

内容(「MARC」データベースより)

「仏教」を生きるとは何か! 日本仏教のはらむ問題点と課題を洗い出し、その可能性と未来を問う、迫真の日本仏教論。2004~5年に京都・相国寺で行った講義の記録を中心に、シンポジウムでの発言や書き下ろしを加える。 --このテキストは、 単行本 版に関連付けられています。

登録情報

  • 文庫: 245ページ
  • 出版社: 新潮社 (2011/10/28)
  • ISBN-10: 4101489122
  • ISBN-13: 978-4101489124
  • 発売日: 2011/10/28
  • 商品の寸法: 15.4 x 10.6 x 1.2 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.7  レビューをすべて見る (3件のカスタマーレビュー)
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By おの
形式:単行本
方向性を失い行き詰ってきた現代において仏教をもう一度問い直し、そこから引き出される答えを社会に還元していくことはできないかを考察する本。

大谷大学と京都・相国寺での連続講義をもとにした講義録であり、話は拡散気味だが鋭い見方が随所にちりばめられ、はっとさせられる。

また内容的にはちくま新書の『仏教vs.倫理』に重複している点が多いが、葬式仏教、神仏、禅学といった仏教特有のトピックから切り込まれており、アカデミックなアプローチに安心感を覚える。

死者を絶対的な他者と捉え、死者の霊魂の有無に関わらず実存的に我々が直面する死者との関係性が論考の骨組みである。ここから、葬式仏教に積極的な意味を与え、経典を読み直し、社会に向けて仏教独自の立場を打ち出していけるという。

また神道と仏教の別、禅万能論、一神教と多神教といった極端に簡素化された二項対立の図式を危険だと警告し、一概に言えない多様な側面があることを示す。迷いながら、悩みながら、しかし地道に進もうとする考察に共感。

「今まで日本の中に仏教が根差してきた、その根底を形成している葬式仏教をむしろ反省し直して、それを出発点として、言ってみればどのようにして葬式仏教を本当の意味あるものにできるのかという視点から見ていく方が、日本仏教をこれから生かしていく道になるのではないかと考えています。」

「それぞれの時代によって、その時代の流行の思想、あるいは時代の価値観というものを単に受け入れているだけではないのか。国が戦争といえば戦争に賛成する、国が民主主義といえば民主主義に賛成するだけではないだろうかという疑問が残ります。」

仏教学者にも僧侶にも示唆に富んだ本であろう。
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4 人中、4人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
宗教をめぐる二元論・二項対立的な言説があふれる昨今、みずからの立ち位置を「外部」に置きながらも、信仰や習慣に内在する構造に肉薄しながら、これを解説した入門書である。学界における詳細な議論を知る立場ではないが、日本の宗教的現在を理解するうえで、是非とも一読を願いたい。クリスチャンのわたくしであっても、素直に腑に落ちる解釈が散りばめられている名著。
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9 人中、7人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By 青ち
形式:単行本
著者のシンポジウムでの発言や連続講義の記録に基づいて編集された著作である。

このところ、近代や死者をめぐる発言の多い著者の「考えていること」が、聴衆に語りかける形で丁寧に説明されており、非常に読み進めやすい。末木氏の議論に興味を感じつつも敷居の高さを感じている向きには、(むしろ新書の類よりも)この本から入ることをお勧めする。

とりわけ終章には、著者の思想のエッセンスが詰め込まれており、一読の価値がある。著者が縷々述べているがごとき、死を排除することなく思想を展開することの今日的価値については、評者としても引き続き考えていきたい。
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