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日本人を考える―司馬遼太郎対談集 (文春文庫 し 1-36)
 
 

日本人を考える―司馬遼太郎対談集 (文春文庫 し 1-36) [文庫]

司馬 遼太郎
5つ星のうち 5.0  レビューをすべて見る (2件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

出版社/著者からの内容紹介

ますます混迷の度合いを深める、この現代という時代を、日本人はいかに生きればよいのか─歴史文学の巨匠がさまざまの賢人達と縦横に語りあい、そして思索する

登録情報

  • 文庫: 329ページ
  • 出版社: 文藝春秋 (1978/06)
  • ISBN-10: 4167105365
  • ISBN-13: 978-4167105365
  • 発売日: 1978/06
  • 商品の寸法: 15.2 x 10.8 x 1.8 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 5.0  レビューをすべて見る (2件のカスタマーレビュー)
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By 内田裕介 トップ500レビュアー
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昭和44年から46年(司馬46~47歳)にかけて、文藝春秋誌に1年半に渡って連載された18本の対談から、12本をセレクトしたものである。

社会、宗教、工業、政治、中国との関係、若者気質、言語など、多様な切り口から、日本人のありように迫る。対談相手も、梅棹忠夫、梅原猛、桑原武夫、今西錦司など錚々たる面子で、たいへん読み応えがある。

驚くべきは、35年も前の対談にもかかわらず、現在の日本の状況にもそのまま、当てはまる言説が非常に多い点である。例えば、

・ボタンひとつで生産ができるようになり、働くと生産過剰になるので、何もしない人間が必要になってきた。
・一割が会社に帰属して働き、あとの九割はどこにも帰属しないで、ギターを弾いていればいい時代になる。

という指摘がされているが、35年後の今、ニート&フリーター300万人時代を迎えて、この指摘にうならざるを得ない。

司馬の現代日本への認識は、

食べることに一生を費やした時代が終わり「どう転んでも食える時代」が世界で初めてこの現代日本に出現した

という点から始まる。しかし、これが幸せかというと必ずしも手放しでは喜べない。
なぜなら、することがなくなってしまって、「若い人が全員、個々に生きる目標をもたなければ生きていけないような時代」になったことが、いろいろなところに悪い形で噴出してきているからである。

本書の当時はその噴出し口が学生運動であったが、同じ構図はどうも35年たった今も続いているように思う。いや、若者が熱中できる思想や理想の社会、といったものがなくなってしまったぶん、より悪くなっているのかもしれない。

こうみていくと、現代社会のいろいろな問題の根っこにあるものが見えてくるような気がする。35年も前のものではあるが、本書の価値はいささかも変わらず、むしろより重要性を増しているような気がする。現代を読み解くに必読の古典、といってよいだろう。

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梅原猛が、最近某有名新聞紙上で、”私が関係している財団などにも関西電力から寄付を受けたり、東電社長とも付き合いがあり、原発容認してきたことを悔やんでいる”というような発言をしている記事を読み、怒りがこみあげて来た。
氏が何十年も前から原発反対の立場であったならば、関西電力から寄付を受けたり、電力会社の社長が知人であっても、是は是、非は非であることを、声を大にして喧伝するのが、世間に対して影響力がある立場の有名学者としての責任(noblesse oblige)ではないだろか?
そこで、あらゆる分野の碩学と対談している司馬遼太郎対談選集全10巻を調べてみたが、梅原猛との対談はしてないことが判った。
これは、司馬遼太郎が、「空海の風景」を、梅原猛から批判され犬猿の仲になっていたから対談なんかしてないんだと自分勝手に思い込んでしまった。
が、その後友人から文春文庫で1978年に刊行されている、「日本人を考える」というタイトルの対談集で二人が1970年に対談していることを知らされた。
「日本人を考える」を、私も三十年ほど前に読んだ記憶が甦ったのだが、内容をほとんど忘れていたので早速再読してみた。(再読してみたら、両氏の対談は、「空海の風景」発刊前だったことが判明した)
本書での両氏の対談タイトルは、”西洋が東洋に学ぶ時代”であったが、対談の内容は仏教思想などでページのほとんどが割かれていた。
対談中に、両氏が創価学会(梅原猛が公明党の政治関与が政治に良い結果を与えるのではとの発言)などへ言及したところで、二人の宗教観の違いが読み取ることが出来た。
西欧などの一神教より日本のような多神教のほうが、なんとなく柔軟性があり人間にとって息苦しくないのではないか、との両氏が同じ考えであったことには納得したのだが、生涯一書生を貫いた文人としての司馬遼太郎と、高名な学者の梅原猛との生き方が微妙に違っているのが、この対談から透けて見えてくる。
中曽根康弘が創設を主導した「国際日本文化研究センター」の初代所長に就任することになるとき、梅原猛が司馬遼太郎の参加を何度も促したが、司馬遼太郎が参加を固辞したことの意味を知ることができる。
本書巻末の今西錦司氏との対談(1971年4月)”都市集中を憂う”の章で、将来天変地異が起きることを危惧する発言をしていたが、私達は、今その天変地異と、人災としか思えない原発事故を目の前にしている。
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