前作の
日本人へ リーダー篇 (文春新書)は2003年〜2006年までの連載をまとめたもの。その続編である本書は、単に2006年から2010年4月までの連載をまとめた続編だ。単なる第2巻に「国家と歴史篇」なんてつけちゃったので、レビューでいろいろ批判されているようだ。出版社が不況に追い込まれた証拠かもしれない。
というのも、「私も仕分けされちゃった」として、書き下ろし本の初版部数がずいぶんと減ってきていることが書かれている。どうりで最近、話題の本がすぐ品切れになるわけだ。
「本を買うということは、作者を援助することでもある」と。幸い本が売れる時期に出版できたから、15年間をローマ人の物語に充てられたと。そんなウラ話が楽しめる人は、本書の前半も楽しめるだろう。多少の気の緩みはご愛嬌。
後半は、日本の政局が大きく揺れている時期に著者らしい視点で書かれている。
・主要国で政権が安定していないのは日本だけである。まだ日本に余力がある内に長期政権を作り、必要なことをやり切ることが重要だ。
・軍事力を使えない日本が如何に世界と外交するかをきちんとわきまえない外交官や政治家が多すぎる。外国に取り込まれるばかりである。
・日本人には、日本という国を嫌う権利が保証されているようで羨ましい。大抵の国では国家への忠誠を誓うものだし、まして国籍取得の際には有事に戦うことも当然要求されるものだ。
・ヨーロッパでさえ難民に手を焼いている。対外的にウブな日本が、金持ちが脱出した後の残りクズのような移民を1000万人も受け入れることは出来ないだろう。やっちゃダメ。
・戦後、ストラテジーを戦略として戦争に結びつけ、考えなくなったツケが回ってきている。ストラテジーは政略であることを理解せよ。
本書を開くと最初の頁に著者の愛する一人マキアヴェッリの言葉が引用されている。
「自分で自分を守ろうとしない者を誰が助ける気になるか。」