アメリカの輸入牛肉問題といい、中国の油田開発といい、日本は最近ナメられていると思っていたが、なぜこんな侮られる国になってしまったのか、その理由と歴史的背景が実に明快に語られていて脱帽。日本という国が、いかに世界のどの国とも異なった特質を抱いているかも、心底納得できる。抽象論ではなく、いちいち具体的なエピソードが面白い。編集部との対話形式になっているのも読みやすい。戦後60年経って、アメリカ追随でもなく、中国寄りでもない第3の道を探るために、日本人自身が「この国の財産」を自覚すべきだという著者の主張に、身の内から勇気が湧くような思いがした。一見、過激な保守に見えるが、実にまっとうな日本人論であり、このまっとうさこそ、今取り戻さねばならぬ「常識」であろう。