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日本人はなぜキツネにだまされなくなったのか (講談社現代新書)
 
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日本人はなぜキツネにだまされなくなったのか (講談社現代新書) [新書]

内山 節
5つ星のうち 4.0  レビューをすべて見る (12件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容説明

ターニングポイントは1965年だった! 私たちの自然観、死生観にそのときどんな地殻変動がおきたか? 「キツネにだまされていた時代」の歴史をいまどう語りうるのか? まったく新しい歴史哲学講義。

内容(「BOOK」データベースより)

かつては、日本のキツネが暮らしている地域では、人がキツネにだまされたという話は日常のごくありふれたもののひとつだった。それも、そんなに昔の話ではない。キツネに悪さをされた。キツネに化かされた。そういった話は、いまから五十年くらい前の二十世紀半ばまでは、特にめずらしいものではなかった。…ところが一九六五年頃を境にして、日本の社会からキツネにだまされたという話が発生しなくなってしまうのである。一体どうして。本書の関心はここからはじまる。そのことをとおして、歴史学ではなく、歴史哲学とは何かを考えてみようというのが、本書の試みである。

登録情報

  • 新書: 180ページ
  • 出版社: 講談社 (2007/11/16)
  • 言語 日本語
  • ISBN-10: 4062879182
  • ISBN-13: 978-4062879187
  • 発売日: 2007/11/16
  • 商品の寸法: 17 x 10.4 x 1.6 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.0  レビューをすべて見る (12件のカスタマーレビュー)
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59 人中、57人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0 村世界を変えた近代化現象を、村に住みながら考える, 2007/11/25
By 
ビブリオン (東京都練馬区) - レビューをすべて見る
(VINEメンバー)    (トップ1000レビュアー)   
レビュー対象商品: 日本人はなぜキツネにだまされなくなったのか (講談社現代新書) (新書)
1965年頃から、狐が人をだます話が、消えたそうです。○経済成長で、自然・神々・歴史と自分との間の連携を意識していた精神が衰えた。○科学では捉えることのできない世界を、掴むことのできない人が増えた。○情報の獲得や伝達法が自然からではなく、マスコミ経由になり、自然と村人との情報連携が喪失した。○正か誤かの教育が普及し、正誤には数えられない知が弱体化した。○自然と共同体を包んでいた世界が消え、家も断絶、人が変わった。○自然の中に己が帰りたい祈りの世界を見なくなり、人の自然観が変わった。○森が人工林になり、焼畑も行なわれず、更に養殖狐も放たれて、だます老キツネが棲息できなくなった。以上の消えた理由は全て、近代化による変化です。その近代化を、著者は、ただ礼賛しては、いないように読めます。

著者は、戦後の近代化の雰囲気のなかに未来はないと感じ、20才の頃に群馬県上野村を訪れ、自然、風土、関係性、共同体、労働から未来を見直し始め、西洋風な近代社会の理想にも、個人が宗教に超越する志向にも、また科学万能思想にも背を向け、自から思索をしてきたそうです。

大抵の反近代思想は、近代思想の反語しか言わず、積極的な命題がありません。しかし著者は、村落で息づいていた生命世界。多様な自然観、動物観、死者観、宗教心。特に発展ではなく循環形式の村の「見えない歴史」。身体や生命、知性の継続としての歴史。これらを民俗学の収集対象ではなく、思索の対象として、村の生活体験を基に事実を離れない、独創的な考えを展開しています。読むうちに、惹き込まれます。特に、ある宗教が流布するのは、聞き従う民衆側に、受容の下地が既にあるからだという指摘は、教えられました。

2階で外来哲学を論じ、1階では伝統生活に安住していると、揶揄された我国の思想です。それを1階に住みこんでやり直そうという真摯な試みです。
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24 人中、23人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0 市場経済は「豊かさ」をもたらすのか?, 2008/1/12
By 
dream4ever (鎌倉) - レビューをすべて見る
(VINEメンバー)   
レビュー対象商品: 日本人はなぜキツネにだまされなくなったのか (講談社現代新書) (新書)
動物との係わり、自然との係わりが希薄になる事で人は次第に身体性を失うとともに森や海から刷り込まれていたはずの智慧や畏怖を忘れていくのだろう。キツネ、タヌキあるいは河童や天狗などの物語でない経験や語り継がれた民俗を失うことが何を意味するのか。

科学では捉えられない世界をつかむことが出来ない人間達をつくった時代、1965年を境に日本人はキツネにだまされなくなってしまった。森や海がもはや畏怖する存在でなく科学が自然を管理できるという驕りの中に、人間の魂も動物の魂も森や海には戻っていかない。その様な社会が進む時、豊かさとは、発展とは、果たして人間にどのような未来を開いているのだろうか。市場経済と言う文脈の中に、心も体も疲弊した人々の姿が見えてしょうがない。
内山さんのこれまでの思索があまりに多く詰められていて一度読んだだけでは吸収できないほどである。そんな内山さんも東京生まれで、釣りを通じて上野村に通いだし、そして労働と貨幣、自然と人間との係わりを村民の方々との「時間ではない“とき”」の中での交流や自身の稼ぎでない「仕事」を通して思想思考し本書になったのだろう。何度か読み返したい1冊である。
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18 人中、17人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0 面白かった!最後の数ページは泣きそうでした。, 2008/3/6
レビュー対象商品: 日本人はなぜキツネにだまされなくなったのか (講談社現代新書) (新書)
5年前に講演を聴き、「風変わりな哲学者だなあ」という印象を持ちました。
著書を読むのは初めてでした。思ったより小難しくなく、3時間ほどで一気に読めました。
正直、最後は感動しました。私の父はまさにこの本の中の「村の住人」に属する人です。恐らくかろうじてその最後の世代です。こういう学問を待ち望んでいた気がします。しかもたいへんわかりやすい。啓蒙書ですが、真の哲学書です。
途中、連想したのは、宮沢賢治の「なめとこやまの熊」であり、高畑勲の「平成狸合戦ぽんぽこ」でした。今後の続作が楽しみです。
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