内容については、題名の通りである。そしてレビューの数も多いので、むしろ本書を読まなくても、大体の内容は把握できてしまう。それでも、自分は本書を読んでよかったと思っている。数時間にわたり、自分にとって本当に英語は必要なのか、じっくり考える機会になった。
他のレビュアーの方が勘違いされている(中には立ち読みしただけで、ちゃんと読んでさえいない人もいる)のは、題名『日本人の9割に英語はいらない』は、裏をかえせば「1割には必要」であるという点だ。その1割の人たちにとって英語はとても重要なものであり、現状、1割の人たちが英語ペラペラというわけでもなく、さらなるレベルアップが求められる、と著者は述べている。まったくその通りだ。巻末に英語学習法が載っているのはそのためである。
著者の主張は、使わないのに英語を勉強するくらいなら他のことをしろ、ということだ。だから、英語を使う人は勉強すればいい。ここを理解しないで「勉強しないよりした方が」とか「これからの国際社会では」といっても意味がない。英語を学習するとき、自分の「具体的」な現状・未来予測と切り離して、その必要性を考えることはできないのだ。世の中には、英語学習より有益な行動がいくらでもあり、人生に無駄な時間は1秒もないのである。
英語ができないよりできた方がいいだろうし、これからもどんどん国際化は進むだろう。しかし、海外に行けば嫌でも英語漬けになり、短期間のうちに習得できてしまうものに、必要のないうちから延々(それも会話もままならない歪なかたちで)備えようとしても無駄である。著者の主張は至極、まっとうなものだと思う。