著者の本では、以前読んだ「お金とモノから解放されるイギリスの知恵」(新潮文庫)がなかなか良かったので、今回も期待して読み始めた。しかし最後まで読んで「なんだガッカリ」というのが正直な感想です。
彼女の主張は多分大勢の同意が得られる正論なんだろうけど、逆にインパクトというか個性が感じられません。せっかく著者ならではの海外体験が豊富にちりばめられているのに、そこから導く意見・主張がいかにもありきたりで面白みが無い。
「おいおいちょっと待ってよ」と感じさせる話も散見されます。ボルボの母体工場があるスウェーデンの某空港内にデーンと日本製の新車が展示されている話から、「日本人の誇りは消えたのか」なんて話されてますけど、そんな僻地の町のプロモーションに日本人がいちいちからんでいるはずがないでしょう(しかもあんな巨大メーカーで)。
また、某日本の有名ソースメーカーの買収に米国資本が乗り出した時、日本人は最高裁まで出て総出でこれを叩き出した。この話を引き合いに出して「日本人はどんなに金を積まれても捨て切れないものがある」ですって!?バブル全盛期に日本がアメリカでやった狼藉の数々を、著者はよもや忘れたわけであるまいに...。
本田健著「きっと、よくなる!」を読んで以来サンマーク出版には強い疑問を抱いていたのですが、残念ながら以前好きだった著者の本までもがすっかり色褪せてしまった。