論旨は、徳川家康にはじまる幕藩体制の成立からバブル経済崩壊以降の今日に至るまで、わが国のあらゆるディメンションで進行中の大衆化/モノカルチャー化(特に経済至上主義/拝金主義の蔓延)が、ハイカルチャー(要は貴族文化か)やハイサイエンス(要は基礎科学か)、ハイポリティックス(要は国家戦略か)の成立を阻んでいることが、今日の日本の停滞を招来しているというもの。処処に波頭氏と茂木氏の鋭い卓見を楽しむことができ、お値段分の価値は十分にあり。(ただ、「現代の日本では飯が食える水準での経済的な基盤ぐらいのことは社会保障が面倒みてくれる」との波頭氏コメント(178頁)は、いささかいただけず。)