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日本人の坐り方 (集英社新書)
 
 

日本人の坐り方 (集英社新書) [新書]

矢田部 英正
5つ星のうち 4.5  レビューをすべて見る (2件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容紹介

正坐は「正しい坐」ではなかった!
平安貴族や千利休や坂本龍馬はどんな「坐り方」をしていたのか? 私たちが何気なく行っている「坐る」という動作には、日本文化の基層に触れる奥深さがある。目から鱗の画期的論考!

内容(「BOOK」データベースより)

畳や床の上に直接腰を下ろして「坐る」。私たちが普段、何気なく行っている動作は、日本人が長い年月をかけて培ってきた身体文化だ。しかもそれは、「正坐」のみを正しい坐とするような堅苦しいものではなく、崩しの自由を許容し、豊かなバリエーションを備えた世界なのである。古今の絵巻、絵画、仏像、画像などから「坐り方」の具体例を抽き出して日本人の身体技法の変遷を辿り、その背後には衣服や居住環境の変化、さらには社会や政治の力学までが影を落としていることを解き明かす画期的論考。

登録情報

  • 新書: 208ページ
  • 出版社: 集英社 (2011/2/17)
  • 言語 日本語
  • ISBN-10: 4087205819
  • ISBN-13: 978-4087205817
  • 発売日: 2011/2/17
  • 商品の寸法: 17 x 10.6 x 1 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.5  レビューをすべて見る (2件のカスタマーレビュー)
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By ビブリオン トップ1000レビュアー VINE™ メンバー
韓国のKBSドラマを見て気になるのは、女性の座り方。大半が、片膝を立てて座ります。最初は違和感がありました。それでもいつの間にか、片膝座りにも、品のあるのと無いのとがあるのが判る程に慣れてきました。日本でも、能の僧侶役は、片膝を立てて座ります。左の片膝を立て、腰は右足の踵の上に乗せて坐ります。高位の僧でもこの坐り方をするので、当時は正式な形とみられていたようです。

著者によると、片膝座りだけでなく、昔は様々な座り方があった。菱川師宣や宮川長春など、浮世絵師達が描いた廓内の男女の坐り方、また古くは「春日権現絵巻」や「法然上人絵伝」など絵巻物に見られる武人や僧侶、公家、などの座り方。これらに残された図像から、昔の日本人の様々な坐り方を探っています。それに反するように、今でも芸道だけでなく、一般社会にもある考え、「正しい座り方は、正座だけだ」という通念が、全国的にいつ始まり、どう普及していったのか。それを解明するのが本書の主題の一つです。

床に座る時の日本人の多様な座り方を、まとめ、類型化し分類するのがもう一つの主題です。多様で区分が難しい座り方をイラストで説明しているので、良く判ります。しかし面白かったのは、毎日が坐る生活だった時代に、使われていた坐具の話。戸外で踵の上に坐る時に有用だった下駄。何処でも、和歌が心に浮かんだ時にすぐ書きとめられる机代わりの立膝。袴をはくとき時に、腰に巻く腰を保護していた腰板。正座以外の座り方をしても、乱れが見えない身幅の広い着物や袴の効用。畏まっていない時に、崩したり、寛いだりして座るためには、こんな小道具が必要のようです。昔の日本人は、足首や関節、骨盤周りが、すごく柔軟だったことが、写真から判るそうです。現代の我々が、膝を痛めずに、どうすれば正座できるのか。具体的な準備運動のノウハウを、聞けたらもっとよかったのにと思いました。
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2 人中、2人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By TAKERU トップ1000レビュアー VINE™ メンバー
 歴史を紐解いてみると、「正坐」が正しい坐り方の基準と言うのは、
近代からのことのようで、古来よりもっと多様な坐り方があったことが分かります。
どうして「正坐」が正しい坐り方の基準となったかは、判然としません。
着目すべきは、坐り方という意識されない動作は、「正坐」が基準と認識されることで、
それ以外の坐り方は気付かぬうち失われ行く可能性があるということです。
坐り方の再生を本書では、明治時代の写真、古い絵画や彫刻、礼法などから行っています。

 フランス人は、子供の頃しゃがみ込むことができるのに、大人になるとできなくなると
いいます。「坐る」という動作にも文化が影響していることを、マルセル・モースは
指摘します。「身体の動き」は無形の文化と言えそうです。
無形のものは失われやすく、それゆえ継承されていくのが望ましいと思います。
正しい基準として、あるものが浸透してしまうと、それ以外は駆逐されやすからなおさら。
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