このレビューのタイトルにあげたのは、本書中にある小泉元首相の祖父、又次郎の言葉であるが、この意味の奥は深い。
日本人は、こんどの震災で、農家や漁師の人たちに「日本人は驚くべき能力をも発揮し得る国民である」(鈴木貫太郎)を実感し、政府の対応に「大臣に人を得ないかぎり、次官以下、どんなに人材をあつめてみたところで、大したことは出来ッこないよ」(西園寺公望)ということも実感したのではないか。本当の叡智は市井の人の中にあると思う。
この本では1600年代から今日に至るまでの98人の発した至言の数々を掘り起こしている。新聞に連載していたものをまとめたものだ。何かの体系や思想を一冊にしたものではないが、古文書好きにしてなしえた苦労のたまもの。