そのためには、まず日本経済が置かれている異常な状況を冷静に見つめ直すべきだという。1200兆円という個人資産のほんの一部が動き始めたら、景気は上向く可能性がある。なのにまったく動かないのはなぜか。小室氏は、その理由が「日本の舵取りである経済官僚が、経済と経済学とが分からなくなったから」だと指摘。
また、日本で経済学の評判が悪いのは、米国の経済学をそのまま適用しようとするエコノミストの予想が外れるからだともいう。そこで本書では、今日の日本にも適用できる経済原論の普遍的理論とそうでないもの、官僚主導など日本固有の環境分析から生まれる理論などを明確に分類し解説を加えている。
具体的には、スミス、マルクス、ケインズ諸説の解説から、マクロ経済、ミクロ経済の見方についてなど、さらには「デフレスパイラル」「複雑系」の意味するものなど、新旧を問わず必要な事象を網羅的に解説。堅苦しさがなく楽しく読める1冊だ。
(日経ビジネス1999/1/11号 Copyright©日経BP社.All rights reserved.)
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僕が頭が悪いといわれればそれまでだが、しかし、
経済学という世界認識の方法が、
1なぜモデル化(=抽象化)という方法論をとるのか?
2現実に適用しようとすると、なぜいつも予測が外れるのか?
3数学という記述方法を採用するのはなぜなのか?
といった、学問の記述方法への疑問、その学問がどういった
世界観(=哲学)に貫かれて発生してきたのかといった、
一般の数学の教科書のように概念の説明だけに終始する教科書
とはアプローチが明確に異なる著述です。
逆にそういった世界観を理解している人には、子供だましの本
に感じるかもしれません。しかし、著者の言論シリーズの意図が、
経済学の概念を、世間に知ってもらうため、ということと考える
と、それは仕方ないかもしれませんね。
世界の歴史で経済の概念が理解されたことはまだないですもんね。
もしわかっていれば、バブルは起きないはずですから。。。
ちなみに大学生で経済原論で苦しんでいる人には、最適です。
考えてみれば、大学の授業はレベルが低かった。外生変数と
内生変数の違いなどという前提すら説明がなくていきなり
数学を扱うので、その数字が「どんな意味を持つのか?」という
ことがぜんぜん理解できなかった。少なくとも乗数効果と限界消費
性向程度の(これでだいたい大学の原論1のテストは終わる)
レベルならばこの本で十分すぎると僕は思います。
ケインズ経済学のエッセンス、特に乗数効果の説明は秀逸で、他書や大学での講義などでなかなかピンとこなかったその考え方が上手くイメージできるようになりました(著者は「腑に落ちる」と表現)。こうした基本的考え方を中心に据えた上で、世にあふれる経済学入門書に取り組む、といった順序が経済学の学習者には最も適当、という気がします。僕は本書を読んだ後、どうして経済学の教科書は難しく教えるのか、という良くある疑問を本当に感じました。
良かった点
・経済にうとい私でも理解できる,本質を突いた抽象的かつシンプルな記述
・経済をベースとしながらも,各種組織制度やイデオロギー(資本主義,民主主義,議院内閣制,行政府,官僚組織など)に幅広く触れながら本質を解きほぐしていく手法
悪かった点
・うーん,特に見当たりませんが・・・筆者の立場はニュートラルとは言えないかもしれないので,その主張に賛同できない方もいらっしゃるかと思います,そういう方は理屈の面では理解できても,イデオロギーが絡むと楽しく読めないかもしれません
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