2001年に『歴史の読み方―日本史と世界史を統一する 』という書名で出版されたものを改題・改訂したものである。それに際して、各章のタイトルも変えられており、そのうちの3つが帯に並んでいた。《偶然の積み重ねが歴史をつくる!》《大モンゴル帝国から世界史は始まる!》《アジアは一つという嘘!》である。これらのキャッチフレーズは、読後感を裏切らなかった。
いろいろな雑誌記事などが5つの章にまとめられている。1990年代のものが多いが、70年代のものもある。最初の『世界史は成立するか』も70年代のもので、日本で教えられている「世界史」は、事実偏重、論理不在の奇怪なもので、「それでも世界史を教えなければならない。この矛盾を解く道はただ一つ、大学入試の科目から世界史を廃止することである」と書いている。その時代に受験科目として「世界史」を学んだ者としては、複雑な思いを持つ。
90年代に、著者は、モンゴル帝国から始まる「世界史」を展開する。それは、モンゴル帝国として結集した中央ユーラシアの諸民族が、最終的には20世紀の中国とソ連を生み出し、そこから多大な圧力は受けたが、統合はされなかった日本と西ヨーロッパが、現代の資本主義経済を生み出したというものである。このあたりの話は大変おもしろかったし、このような筋道があれば、受験の後も、もう少し私の中に「世界史」が残ったのではないかと思う。
後半は、中国が中心で、《この「厄介な国」中国の過去と現在》と《「日中友好」は災禍の歴史だ》という章名が付けられている。最近の風潮に合わせたものだという気もするが、岡田氏は、日中国交回復時の70年代から同じ主張をしてきたことがわかる。
統一感に欠けるともいえるが、その分いろいろなことが読み取れる本である。『新版へのあとがき』では、著者が国際的に活躍するようになったその履歴と、このレビューのタイトルの言葉が述べられる。