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日本人のための戦略的思考入門――日米同盟を超えて(祥伝社新書210)
 
 

日本人のための戦略的思考入門――日米同盟を超えて(祥伝社新書210) [新書]

孫崎 享
5つ星のうち 3.6  レビューをすべて見る (14件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容紹介

戦略とは、「人や組織に死活的に重要なことをどう処理するか」を考える学問
である。国家の行く末を決める上で、この戦略は極めて重要な分野だ。しかし、
日本人はこの分野について深く考えることなく、今日まで来た。

その理由の最たるものは、戦後、対米追従だけが日本の“戦略”だったこと
による。台頭する中国と瀬戸際外交を続ける北朝鮮にどう対応すべきか? 普天間
を中心とした米軍基地問題をいかに処するべきか? そうした問題を考えていく
上で、単に米国追従でよい時代は、もはや過去のものである。

 ・米国は有事の際に本当に日本を守ってくれるのか?
 ・「核の傘」は本当に有効なのか?
 ・アジアの平和を維持するために日本が本当にすべきことは何なのか?

 本書では、こうした疑問に答えつつ、戦略の基本概念から、戦略論の発達、
現代における安全保障の問題までをわかりやすく解説。
戦略的思考とは何かを知る上で必読の一冊。

内容(「BOOK」データベースより)

戦略とは、「人や組織に死活的に重要なことをどう処理するか」を考える学問である。日本人はこれについて深く考えることなく、今日まで来た。その理由の最たるものは、戦後、対米追従だけが日本の“戦略”だったことによる。しかし、単に米国追随でよい時代は、もはや過去となった。台頭する中国、そして軍事力を誇示する北朝鮮にどう対応すべきか?普天間を中心とした米軍基地問題、そして日米同盟の行方は?今こそ、日本独自の戦略が不可欠である。本書では、戦略について基本から解説するとともに、これからの日本人に必要とされる戦略的思考とは何かを考える。

登録情報

  • 新書: 272ページ
  • 出版社: 祥伝社 (2010/9/1)
  • ISBN-10: 4396112106
  • ISBN-13: 978-4396112103
  • 発売日: 2010/9/1
  • 商品の寸法: 17.2 x 10.8 x 1.4 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 3.6  レビューをすべて見る (14件のカスタマーレビュー)
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38 人中、27人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By vatmideo トップ500レビュアー
最初に著者自身の「戦略」の定義を変更し、クラウゼビッツやモルトケなどの戦略が現在にそぐわないものと一蹴してしまいます。その上で孫子を中心に様々な戦略について解説しています。
また欧米での歴史に対する認識と戦略の関係を示します。歴史教育が実は戦略を生み出す実験室であるとして、そこに示された設問には説得力がありました。
その後は日本の現実と分析です。尖閣諸島、米軍駐留をはじめとした分析や方針は見事に核心を突いていますが、外交と軍事といった両輪が揃って回らない歯痒さを改めて認識させてくれます。
経営戦略の本などではその手法に目がいきがちですが、本書では筋道だてた考え方と状況変化に対する対応が学べます。
このレビューは参考になりましたか?
17 人中、12人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By つくしん坊 トップ500レビュアー
「戦略思考が出来ない日本人」というのは、世界の政治家・外交官や知識人の常識らしい。このことが日本の置かれている政治的混乱や相次ぐ外交の失策だけでなく、日本経済の「没落」にも深く関わっているとなれば、「戦略思考」が国家の命運を握る時代になったといえる。

本書は、外交官として冷戦時・冷戦後の各国の無謀な戦争を目撃し、また外務省でインテリジェンス部門にあった著者が、戦略論と歴史を深く学び直して、日本外交への問題提起を行ったものである。孫子やトゥキュディデスをはじめ、古今東西の戦略書を踏まえ、現在はいかに戦争を避けるか、に国を挙げて知恵を絞るべきだとし、その観点から日本外交の今後のあり方への提言を行っている。

普天間問題では、外務省・防衛省とマスコミが「日米同盟の危機」を煽り、結果として鳩山政権が崩壊した。本書を読めば、この問題が日米関係の一部にしか過ぎず、危機を煽るのは従来の日本の対米従属から利益を得ている人々であることがよく分かる。本書の内容の十分の一でも、日米同盟がどういうものか、マスコミが報道すれば、世論は全く別の方向に向かったかもしれない。近い将来、アメリカのGDPを抜くことが予想される中国との付き合い方も参考になる。

あまたある戦略論に関する本の中で、対米従属を脱却する方法を示唆している本書は白眉の内容である。また、マスコミに蔓延している「俗論」を見抜くのに本書は役立つ。戦略関連の多くの推薦書も非常に参考になる。日本の将来を憂うる人にはお奨めの本である。
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19 人中、13人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
 戦略とは「人や組織に死活的に重要なことをどう処理するか」を考える学問である。古今東西、戦略論の本があり今現在も軍事部門だけでなく、大学や企業などで研究・応用されている。本書は新書ながら歴史からゲーム理論、戦略論の展開、さらに孫子がいまだに最高の戦略書であることや実際の政治で用いられた戦略など横断的に戦略論を概観できる点に特色がある。このような戦略を概説する書物はありそうでなかった。それは日本においては外国の戦略書は翻訳されてもそれを実際に深める研究や応用することが希薄だったことに起因するといえよう。
 孫崎氏は戦略を次のように定義する。「人、組織が死活的に重要だと思うことにおいて、目標を明確に認識する。そして、その実現の道筋を考える。かつ、相手の動きに応じ、自分に最適な道を選択する手段」と。この定義は読書後あらためて見るとさらに理解が深まる。
また、古典と呼ばれる戦略本についても簡潔に取り上げられ特徴がまとめられている。それぞれの古典への簡易な手引きとしても使用できる。
 日本についての記述については、的確かつ簡潔に論じられている。
特に戦略の基本であるところの一.敵は誰か二.いかなる手段で攻撃してくるか三.いかなる防衛手段があるか、を考えるのが普通であるのだが日本には戦略の基本が悉く欠けていることがわかるであろう。この三つの視点から基本政策を作ることが重要と説く。そして米国が日本のためには国益を失ってまで安保に加担しないことなど、メディアでは事実として伝わらない事をつまびらかにする。もっぱら関心の高くなる対中に関しては、独仏の歴史を学んで、「複合的相互依存関係」を共有することが日中にとって大切であるとする。
 最後に、この本の根底には、仏戦略家ボーフルの言がある。著者が要約するところの「闘争を続けることの無益さ、精神的な損失の大きさなどを相手に悟らせるだけでなく、自分に悟らせることが重要」ということだ。満点でない評価は著者の次なる作品を期待しての声援のつもりである。孫崎氏にはぜひとも戦略入門から発展した著作(歴史を深く掘り下げたものや実例を取り上げながらの分析など)を期待したい。碁を嗜み歴史書を愛する人にとっては、漸く出会えた本といえるかもしれない。戦略論にとって画期的な本であると同時に、新書の逸品として末永く受け継がれることになるだろう。
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