本書の中心的な記載は、第2部 神から凶獣へ 第3部 オオカミがいたころ と思う。
第2部は、日本における狼の歴史的扱いであるが、どうも首を捻る。中世以前では、聖なる獣としての位置づけで、その後の外来文化の流入に伴い、害をを及ぼす禍々しい獣とされるようになってきたと主張されている。狼の記載が中性以前の古文書にほとんど全くないのがその根拠 … 変じゃない? 主張としてかなり強引な感触を受けたので、第2部は賛同しかねる。
第3部は、おそらく狼を知っている最後の世代であろう古老の経験や伝聞が盛りだくさんで、非常に興味を覚えた。とても貴重な資料と思う。
雑学。「狼煙」は、狼の糞を燃やすと煙が真っ直ぐにのぼると信じられていたため利用されたらしい。
「獣」は、古文書には「毛物」と書かれている。 なるほどと実感した。