第1章で人間が歴史を作ることを強調し、その後明治期に活躍した人々について、史実だけでなく、その人物の心理・信念まで記述しています。「かなり思い込みがはいっているな」と感じながら読み進みました。が、考えてみれば俗にいう司馬史観というものも、司馬遼太郎の思い込みから語られたフィクションから形成されています。
ひとつひとつの章は短く、それぞれの人物の人間形成、信念、そして業績に対する著者の評価が語られ、なるほど「人間を中心とした歴史観」だと明治期の理解が深まります。
が、最終章では歴史上の人物を語る時、その人が「何をしたか」ではなく、別な見方をすべきという見解(これから読まれる方のためにあえて書きません)を展開し、日本人のありかたに言及しています。その論理からすると「大正篇」や「昭和篇」といった続編が出せるのかなと思いました。
いずれにしても年表などに捕らわれることなく読める近代史であることは確かです。