日本の秩序がどのような構造でできているのか――。
たとえば、日本では、「共同体の一員」としての組織がなりたっている。
それに対して、外国は、「奴隷」とみなして能率的なシステムを考えだす
というやり方である。
他にも、日本人がなぜ議論を苦手とするのか、日本人における
「思い詰める」・「諸悪の根源」とはどういうことか。「赤ん坊」
とはどのような存在として見なされているのか。さまざまなことを、
風土や宗教、奴隷制などの歴史など多次元的に考察している。
個人的には、以下のものがおもしろく感じられた。
・神(=歯止め)を持たない日本人に自我・個人主義は、エゴイズムに
映る。
・論争している間は、絶対に両者の関係は断絶しないという信仰が向こ
う(外国)にある。どんなことがあろうとも交渉の中断はしないぞ、
ということを別の表現で言っているのを、日本は、捨てぜりふのように
聞いてしまう。
・日本人のつくった組織では、結局、個人のやる気を当てにしている。
これは、日本に奴隷制がなかったことと関連がある。
日本の中だけの世界から飛び出して初めて日本を客観視できる。その
飛び出すのを助けてくれる一書だと思う。読み進めていって自分の中に
ある「日本」が統合されていくような気がする。読み終わり、はて、
このような世界に於ける日本においてどのように生きていこうか、と
考える。実は生活に密着している本だと気づく。