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7 人中、7人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
日本を、自分を客観視できる本,
By
レビュー対象商品: 日本人と「日本病」について (文春文庫) (文庫)
日本の秩序がどのような構造でできているのか――。たとえば、日本では、「共同体の一員」としての組織がなりたっている。 それに対して、外国は、「奴隷」とみなして能率的なシステムを考えだす というやり方である。 他にも、日本人がなぜ議論を苦手とするのか、日本人における 「思い詰める」・「諸悪の根源」とはどういうことか。「赤ん坊」 とはどのような存在として見なされているのか。さまざまなことを、 風土や宗教、奴隷制などの歴史など多次元的に考察している。 個人的には、以下のものがおもしろく感じられた。 ・神(=歯止め)を持たない日本人に自我・個人主義は、エゴイズムに 映る。 ・論争している間は、絶対に両者の関係は断絶しないという信仰が向こ う(外国)にある。どんなことがあろうとも交渉の中断はしないぞ、 ということを別の表現で言っているのを、日本は、捨てぜりふのように 聞いてしまう。 ・日本人のつくった組織では、結局、個人のやる気を当てにしている。 これは、日本に奴隷制がなかったことと関連がある。 日本の中だけの世界から飛び出して初めて日本を客観視できる。その 飛び出すのを助けてくれる一書だと思う。読み進めていって自分の中に ある「日本」が統合されていくような気がする。読み終わり、はて、 このような世界に於ける日本においてどのように生きていこうか、と 考える。実は生活に密着している本だと気づく。
5 人中、5人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
日本人とは何者か,
By 蘇冬 "三本の桂" (北海道) - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: 日本人と「日本病」について (文春文庫) (文庫)
日本の社会、歴史、文化のあり方に鋭い眼を注いだ山本七平と、精神分析学から日本を解明しようとしている岸田秀の対談。 96年に買ってから数回読み直しているが、対談当時の時代背景を除いてても鋭い日本人論になっている。 ただ、バブル以降の日本の社会をみていると、次第に両氏の言う「共同幻想」が崩壊して、 日本人が浮遊してきたいると感じる。本来原理持たないことを原理としてきた日本人が、 「共同幻想」を失ったとき、いったいどうなるのか。 21世紀初頭の今はそれを実験しているように思える。 そこにはアメリカから仕入れた生齧りの「個人主義」か、ただの拝金主義、 もしくはおかしな形での「復古主義」に二極化していると思える。 そんな状況だからこそ、冷徹な両氏のこの本を読んで、日本人のあり方を考えている。
4 人中、4人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0
時代の変化を考慮する必要がある,
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レビュー対象商品: 日本人と「日本病」について (文春文庫) (文庫)
昭和55年に単行本として刊行されて30年以上が経過した。対談の岸田秀氏はまだご健在だが、山本七平氏が平成3年に亡くなり、解説を書かれた小室直樹氏が昨年亡くなった。中身は題名の通りで、対談形式で読みやすいのだが、言いっ放しで整理された形になっていないので、頭の中にどれだけ残っているか心もとないところがある。しかしこの1冊で日本人と「日本病」を分かった気になるというのも愚かで、この本を足がかりに他の本へと読み進めていくべきなんだろう。解説も小室氏がその後出した「日本人のための宗教原論」の中でもっと噛み砕いて説明してあるのでそっちも読んでほしい。現在はこの本が出たころとは違って、雇用者に占める正社員の割合が激減し、今や3人に1人が非正規雇用である。10代後半にいたっては約7割という報告もあり、社会秩序も当時とはかなり変化してきた。日本人は簡単には変わらないだろうが、「日本病」は変化しているはずで、その諸症状の変化を考慮して読む必要はあるだろう。
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