他の方が述べられているように、一国あたり4-6ページと少々内容が物足りない国も多い。政治・経済など、項目が全ての国に一貫しているわけではなく、タンザニア、ルワンダ、コモロ、ザンビア、マラウイ、ナミビア、ガンビアなど、最新政治体制の記載が抜けている国も多い。こうした国々については、p29の「アフリカの民主主義度達成度表」を参照し、「完全な民主主義(モーリシャスのみ)」「欠点のある民主主義(6ヶ国)」「民主制と独裁の混合(15ヶ国)」「独裁(28ヶ国)」のどこに分類されているのかをいちいち確認する必要があった。正直、インターネットのwikipediaと、外務省の各国・地域情勢、外務省海外安全頁で全ての国を参照する労力を厭わなければ、本書より多くの情報が得られると言える。
しかし、本書最大の有用性は、まさにその、「コンパクトさ」にあり、各国の基礎データ一覧が国ごとの左下頁にあるので、ページ毎の比較が簡単だったりする点や、上記「民主度一覧表」など、各国比較統計データが、冒頭や、各章の中に挟みこまれていて、これが意外に便利な点などが上げられる。
白戸圭一「
ルポ資源大陸アフリカ」や、ポール・コリアー「
最底辺の10億人 」、松本仁一「
カラシニコフ」などを読み、顕著な問題のあるブラックアフリカ諸国についてはわかったものの、ポール・コリアーが、「
民主主義がアフリカ経済を殺す」で、アフリカの独裁制は統計学的に分析されるべき問題でもある、という視点を提供していたことから、「一体、問題があまり伝えられてこない他の国々はどうなっているのだろうか?」と思い本書を購入した。お陰で産油国でもない国の間でも10倍くらいの所得差が発生しているなど、ひとくくりにしていた国々への理解が少し深まった。また、なんだかんだいってもアラブ諸国の方が平均寿命も所得もアフリカ諸国と断然の格差があることを鑑みるに、(欧米がイスラム諸国に対するような)アラブがアフリカを差別的に扱うのも理由の一部がわかった気がしました。
とはいえ課題も指摘したい。各国左下の「基礎情報」欄の「政治体制」欄に、「共和制」とあるが、p29の民主度一覧表では「独裁制」とされている国がある。どうせなら、「共和制(独裁制)」と書いて欲しかった。度々p29を参照することになり、面倒だった。また、コモロの輸出品「イラン・イラン」について説明が欲しかった。誤植かと思い、ネットで調べるまで「なんのこっちゃら」と思ってしまった。他にも幾つか課題はあるが、より詳しくは外務省などのサイトを参照することとすれば、非常にコストパフォーマンスの良い書籍と言えるのではないでしょうか。
ところで、日本の識字率99.0%(p205)なんですね。あ、そうか。幼児がいるからか、と思い至りました。。。。。