内容紹介
今日の日本は、内憂外患の嵐の中、羅針盤を失った船のような状態で、行く手を見定め得ず堂々巡りをしているかのように見えます。 『日本主義』は、そんな現状に警鐘を鳴らし、心有る読者諸氏との協働により、21世紀において、日本が次に来る世代のために、また政治・社会・文化的に他国の範たることを目指し、しっかりとした確かな航跡を記していくための澪標となるべく、発刊されたオピニオン雑誌です。 季刊『日本主義』創刊第二号特集は、「西南の役」一三〇年を記念し、西郷隆盛特集を組みました。 ご承知のように西郷は、明治維新=日本近代化の功労者であるにもかかわらず、近世以前のヒーローと同じような一種“神話的・伝説的”な人物としてのみ扱われてきたきらいがありました。 大衆の中に広く根強い人気を持ちながら、時の体制や“正統的”学派からは忌避される存在――そんな西郷さんの知られざる実像に、本特集は新しい視点から切り込んでいます。 今、中国や韓国の歴史学界では、日本近代・明治維新の見直しの機運が高まっています。 そうした中で、「自由民権運動」や「征韓論」との関わりにおける、西郷隆盛の新たなイメージを提起した本号は、これからの日本の進路を考える上でも意義あるものと考えております。 単発論文・記事では、「08大統領選とアメリカ“文明”の岐路」(中村忠彦)、「韓国新大統領李明博とはどんな男か?」(菅沼光弘)と、読み応えのある時事レポートを掲載。 また、「米国版“グローバルスタンダード”と日本の21世紀戦略」(生方史郎)は、アメリカ一極支配の構造と日本のスタンディングポイントを冷静に分析し、今後の戦略を示した注目すべき力作評論です。 そのほか、地名研究家楠原佑介による好評連載「亡国の地名政策を撃つ・中」は、海底エネルギー問題もからみ、複雑な様相を呈する「尖閣列島」問題について、地理学的・歴史学的・民俗学的なトータルな視点から周到に論考、胡錦濤主席訪日を巡り焦点となっている日中間の問題に一石を投じるものとしておすすめです。