舞台は戦後。
主人公のフクスケは飢えて餓死寸前のところを、
中年の女に飯をおごられ、「手伝ってほしい事がある」
という女についていく。家につくと、もつ焼きが振舞われた。
「雑魚(ざこ)つれてきたでえ」という女の言葉と共に。
特筆すべきは、活気に満ちた躍動感のある筆跡。
泥と汗まみれの身体、モツ焼きの墨で焦げた匂い・・・
嗅覚にまで濃厚に訴えかけてくるストーリーと文章から、
「生きる」という根本的なテーマが力強く伝わってきます。
登場する食べ物はとても美味しそうですし、
ひと働きした後の彼らの大衆が臭ってくるようです。
現代生活に疲れた方は、戦後のとある場所で真剣に
行なわれた祭りのような生活を堪能してみてください。
人間に力を与えるにはうってつけの寓話ですから。