軽い気持ちで読み始めたのだけど、想像以上に深い本だった。もちろんグラフィックを眺めるだけでも楽しい。でもこれを読むと、それぞれの国のパッケージの違いから、食文化の違いや日本との関係などが透けて見えてくるし、色づかいに各国の特徴が表れているのもよくわかる(フィリピンのカップラーメンやベトナムのリポビタンDが面白い)。
ロッテのキシリトールのページにある、日清チキンラーメンが「それぞれのお国柄を色濃く反映していたのは、ラーメンが主食に近い商品ゆえの事情。これに対して、ガムは嗜好品なので、ブランド感が重要になる」といった分析など、ひとつひとつの解説に納得がいく。著者が足で稼いだ情報も数多く盛り込まれていて、これは「ヤマサ特選しょうゆ」の卓上瓶をデザインした竹鶴壽男氏がこれからのパッケージデザイナーに向けて語った、「毎日の実体験によって得た身体感覚がデザインに表れますから、もっと身体を使う、遊ぶことを覚えてほしい」という言葉と響き合う気がした。
ただ、この本にはひとつ難点がある。海外仕様のパッケージや海外限定商品を見て欲しくなっても、日本ではなかなか手に入らないところだ。フランスで人気というヤマサ醤油のご飯だれ(38ページ)をぜひ試したいのですが、どうすればいいでしょう?