書いてある内容自体は、著者の普段のコメントをフォローしている人には別段新しくない。しかし、著者がそのものずばりで一冊の本に「勝てない理由」をまとめていることと、06年W杯が終った直後の「旬」としての「価値」は揺ぎない。批判の手法は、著者がブラジル出身という事で「ブラジル基準」が大半であり、著者の批判は、日本を対象とするには、一見安逸に見えるかもしれない。だが、それを補って勝る「正当性」があるのが、「日本基準」の現実なのだ。本書は、「それではどうする」という「提言」は残念ながら述べられていない。「サポーターが甘い」「マスコミがダメ」「協会がダメ」等の「ダメだし本」で終了してしまっているのだ。ゆえに「旬」の本であるが、「バイブル」にはなりえない。それは「代表万歳」の現状では仕方ないかもしれない。本書だけでなく、数多の批判本の先に「勝てる文化(勝てる本)」と「強い代表」が出現する筈だ。そんな事も考えさせてくれる本である。