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日本を捨てた男たち フィリピンに生きる「困窮邦人」
 
 

日本を捨てた男たち フィリピンに生きる「困窮邦人」 [単行本]

水谷 竹秀
5つ星のうち 3.9  レビューをすべて見る (28件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

商品の説明

第9回(2011年) 開高健ノンフィクション賞受賞

内容紹介

第9回開高健ノンフィクション賞受賞作!
フィリピンクラブとの出合いが、フィリピンへの逃避行、無一文への転落と5人の男の運命を変えた。今や社会問題となりつつある「困窮邦人」の実態を徹底的にあぶり出す渾身のノンフィクション。

登録情報

  • 単行本: 296ページ
  • 出版社: 集英社 (2011/11/25)
  • 言語 日本語
  • ISBN-10: 4087814858
  • ISBN-13: 978-4087814859
  • 発売日: 2011/11/25
  • 商品の寸法: 19 x 13.4 x 2.6 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 3.9  レビューをすべて見る (28件のカスタマーレビュー)
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14 人中、14人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By MTYF
 ここ数年の間で、この本ほど読みながら落ち込み、欝になり、吐き気を及ぼすものは無かったような気がする。これ、絶賛してるんです。それぐらい身に迫る描写が続く、すばらしいノンフィクションだった。

 この本が描くのは「困窮邦人」と呼ばれる人たちだ。フィリピンで日本に帰るお金すら無くし、ビザの期限を超えて不法滞在する人々。ホームレス、雇われてはいるが明日をも知れない身、障害者、逮捕状が出ている者……そういう底辺中の底辺というような人たちが多々描かれている。

 筆者は他の日本人に何度もこう言われたという。そんな記事(本)、誰も読みませんよ、と。だがそこにこそ、この本が取り上げ、訴えたい問題が潜んでるように思えてならない。そんな自己責任で底辺に落ちたような人間には誰も興味関心を持ちませんよと言ってるのと同じだからだ。そういう人間に誰も関心を払わない社会……はたしてその社会は健全といえるのだろうか? 豊かといえるのだろうか?
 この本のレビューをmixiやamazonで見ても、本当に多くの自己責任論が連なっている。大使館員は、彼ら困窮邦人を助けることは国民の血税を使うことになり理解が得られないと話す。そりゃそうだ、レビューですらこれだけ自己責任論が横行するんだから、そういう対応になってしまうのは当然だろう。

 自己責任とは何だろう? そう問わざるをえない。同時に、自己責任をどこまで冷酷に追求すべきなのかとも、問わざるをえない。彼らがどー考えたって自己責任の結果そういう境遇に落ち込んだのだとしても、そういう人々をなんだかんだ言っても受け入れてくれるフィリピンの豊かさがこの本には描かれている。それと比べ、冷酷に突き放し当然と考える多くの日本人。はたして豊かなのはどちらの社会? 人として正しいのはどちら? もしそういう疑問を抱くこと無く、フィリピンの人はお人好しだなぁとか、彼らは底辺で苦しんで当然とか考える人がいるなら、その人がこの本を読んだ意味があったのか、はなはだ疑問である。
 大事なのはそういう人がフィリピンに逃避すること無く、日本で居場所を見つけられることなんじゃないだろうか? でなければ、フィリピンは(言い方悪いけど)いつまでたっても底辺困窮邦人の受け入れ先、「ゴミ箱」として機能し続け、日本はそのゴミを押し付け続ける形になる。

 筆者の経歴と自分は重なるところが多い。年齢もひとつ違うだけだ。だが違うのは、筆者が自分の定職や居場所を見つけたのと違い、自分は今でも探し続けているところだ。自分はきわめて、困窮邦人に近い。このままだとおそらく彼らの仲間入りをするだろう。その場合は当然だが、自己責任を声高に要求し切り捨てる発想しか持たない日本ではなく、フィリピンや東南アジアに行くことになるだろう。たしかに日本では生活保護がもらえる。だが生活保護は物は満たしても心は満たさない。なぜ彼ら困窮邦人がそれでもフィリピンにこだわるのか。それはこの本を読めば誰だってはっきりと分かるはずだ。
このレビューは参考になりましたか?
65 人中、57人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By Gori トップ500レビュアー VINE™ メンバー
一読、濃いマニラの匂いがいきいきと立ち上ってくる。
それは、メトロマニラ(マニラ首都圏)にある、マカティなどの
オフィス街などの匂いではなく、いわゆるダウンタウンや、スラムの匂いだ。
ゴミゴミした路地にサリサリストア(間口は半間もないほどの小さなよろず屋)が
並ぶ街を抜けていくと、突然現れる場所にそぐわない大きな教会。
フィリピンはアジア一のキリスト教国である。

本書の著者は在留法人向けに発行されでいる日本語新聞『日刊マニラ新聞』の記者。
扱っている題材は、フィリピンでお上生活などをして暮らす困窮邦人だ。
なぜ、困窮邦人になったか。彼らには代表的なパターンがある。
日本で仕事的には恵まれた暮らしをしていなかった。
恋人もいなかった。そんな男性がある日フィリピンクラブへ行く。
フィリピン人の女性はサービス精神が旺盛だ。
男たちが話すつまらない話題にも、いちいち歓声を上げて喜んで聴いてくれる。
それに片言の日本語はまるで少女のようで、愛らしい。
男たちはフィリピンクラブに入れ込む。
しかし、フィリピン人女性が帰国せねばならないときは必ずやってくる。
その時だ、男たちは有り金をはたいて女性を追ってフィリピンに渡航してしまうのだ。
追ってきた男に対し、最初はフィリピン人女性はやさしい。
実は、その女性は独身ではなく、3人の子どもがいたが、そんなことは男にとってどうでもいい些細な問題に思えた。
「この女と結婚してマニラで暮らそう」
しかし、破局は突然やってくる。それは男の金が尽きた時だ。
男は捨てられる。その時にはもう日本に帰る数万円の飛行機代さえない。
かくして男は、困窮邦人になる。

困窮邦人に対して、フィリピン人は優しい。
彼らのホスピタリティには目を瞠るものがある。
貧乏人が貧乏人を助けるのはあたりまえだという相互扶助の精神に満ち溢れているのだ。
フィリピンは大金持ちと貧困層にくっきり色分けされた社会である。
大統領が誰になっても、貧しい民は、貧しい民同士助けあって暮らしていければいいのだ。
しかもフィリピンは温暖だ。資本主義に毒されて、タロイモの畑は、商品作物のパイナップルや
バナナの畑に変わってしまって、昔のように採集で暮らしを立てることはできなが、
Tシャツと短パン姿で暮らしていける。ここえ死ぬことはない。日本の路上生活よりはよほどましだ。
かくして困窮邦人は増えてゆく。

私はかつて取材でマニラ周辺に3回ほど訪れ、計1ヶ月間ほど滞在した。
映画『地獄の黙示録』の撮影場所となったパグサンハンフォールズのそばの村は
国有鉄道のレールに貫かれていた。とはいえ、列車はめったに来ない。
村人たちは自作のトロッコをそのレールの上にのせ、堂々と移動手段として使っていた。
トロッコを押すのは少年たち。いい小遣い稼ぎなのだ。
その村で、食事をすることにしたが、あまりに私たちが汚い格好をしていたからだろう、
いくら払うと言っても金を受け取ることはなかった。
このレビューは参考になりましたか?
29 人中、25人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By pudding
筆者は困窮邦人の知られざる現状を伝えるために筆を取った。フィリピンクラブの女性にのめりこみ、日本からフィリピンに向かったものの、金が尽き、入れ込んだ女性から愛想をつかされた挙句、帰国の費用もなくした男たち。その男たちを取り上げながら、日本社会の家族や社会の横のつながりの希薄さや、経済的に豊かでも幸せそうに見えない日本人の心の奥を暴き出す。困窮邦人や彼らの日本の家族に会って話を聞くうち、彼らは日本に捨てられたのではなく、彼らが日本を捨てたのではないかと気づく。それは、筆者自身が日本において生きにくさを感じたからこそ、だと思う。マニラに在住し、日本を外から見ることのできる筆者だからこそ書けた、秀逸なノンフィクションである。
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最近のカスタマーレビュー
ちょっとがっかり
興味をそそる題材だ。バクララン教会など馴染みの場所も出てくる。
手間暇かかった取材であることは読み始めればすぐに分かる。... 続きを読む
投稿日: 22日前 投稿者: へのへのもへたろう
読み物としては面白い
他の方のレビューでもあるように、短絡的な部分が目立ちます。

フィリピン人は優しい。日本人はその逆だ。... 続きを読む
投稿日: 23日前 投稿者: ナカナカ
世界は広い
この本のタイトルはよく考えてある。(日本を捨てた男たち)となっているが、どちらかといえばその逆だ。... 続きを読む
投稿日: 1か月前 投稿者: 榛名山のたぬき
面白い
フィリピでホームレス生活をしている日本人男性の記録。実に生々しいというか、ノンフィクションのリアル感が溢れています。... 続きを読む
投稿日: 1か月前 投稿者: dai
リアルな描写が魅力的。
新聞の書評欄で本書を知りました。フィリピンに住んでいなければ、見向きもしなかったと思います。... 続きを読む
投稿日: 1か月前 投稿者: kdyj
ネタと造本が面白い。造本に興味のある方はぜひご覧ください。
... 続きを読む
投稿日: 1か月前 投稿者: トックリスター
「日本で生きられなかった男達」なら分かる
ざっくり言うと、フィリピンパブにはまり、そのまま結婚するなどしてフィリピンへ、お金が尽きて帰国できずそのままフィリピンでホームレスになった人たちの話。... 続きを読む
投稿日: 2か月前 投稿者: michi3
ひとの弱さを改めて考えさせられる本
平積みされている本書を見て、びびっと来たので買いました。... 続きを読む
投稿日: 2か月前 投稿者: ジャスミン
困窮邦人関係者(含む親族)へのインタビューが良。
困窮邦人だけを扱っていたのなら余り高い評価をつけることはなかったと思います。... 続きを読む
投稿日: 2か月前 投稿者: 罵詈雑言アラメンド
書き手の逡巡が、結果として作品の持ち味になっている
ノンフィクションとしての筆力は決して高くないと思う。
むしろ筆者の逡巡が表れているせいか、文章の拙い箇所も散見される。... 続きを読む
投稿日: 2か月前 投稿者: sarumarudayu
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