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26 人中、20人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 3.0
大人のゼミ論文。,
By 探偵デプロ (東京都) - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: 日本をダメにした10の裁判 (日経プレミアシリーズ 4) (新書)
現在の社会情勢や社会・経済システムにマッチしない10の判例を、その問題点が現在においてどこに欠陥があるのか、論理的に明快に説明されていて、わかりやすい一冊。ただ一方で、大学のゼミの論文集を読んでいるかのような、足に地がつかないような浮遊感を感じるのは私だけだろうか。個々の論考が前提としている社会観、人間への洞察や世間への感覚にいまひとつ共感を覚えない。例えば2章・4章あたり。この人たちは、人事異動というものに対して会社と社員がどのような思いを抱き合っているかということへの感覚がずれていないかと思うし、痴漢冤罪を論じながら、「今後の刑事手続きを駅事務室に備え付けを」などという牧歌的な提言をみると、痴漢事件の現場の修羅場をイメージできていないのだなあ、と感想を抱く。「市民」や「社員」は真面目で前向きであるが、自ら社会を変えていくことはできない人々だという感覚にたち、社員はもっと狡猾で市民には危険な分子が多数入り込んでいるという感覚に乏しいからそう感じるのか。 裁判所が変わることでリードしていくべき社会像をもっと自分や取材に基づく当事者の生々しい言葉で語ることができれば、迫力のあるものになったろうに。 大人のゼミ論文に、星3つ。
2 人中、2人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0
まずは裁判官国民審査の改善だな,
By 黒木 学 (東京都) - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: 日本をダメにした10の裁判 (日経プレミアシリーズ 4) (新書)
痴漢冤罪から代理母出産、はては最高裁裁判官国民審査に至るまでの、10の判例を通じて司法の問題点を平易に解説する良書。経済学者にしてアルファブロガーの池田信夫氏による本書評価は「本としての完成度は高くないし、内容も常識的な話が多い。しかし若い法律家に、このように法律や裁判を経済合理性の観点から批判する(いい意味での)常識をわきまえた人々が出てきたことは、日本の法曹界にも少し希望を抱かせる。」であるが、まったく同感だ。 最終章が裁判官国民審査のくだりとなっている。昨今、選挙についてのウエッブへの解禁が議論されているようだが、これを読む限りは裁判官国民審査こそウエッブ解禁をすべきではないだろうか?国会議員選挙において一票の不平等を放置する判決を下した裁判官は誰なのか?あまり知る人はおるまい。
1 人中、1人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
大学1回生のうちに押えておきたい,
By 中間 - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: 日本をダメにした10の裁判 (日経プレミアシリーズ 4) (新書)
タイトルを見て、少々キツイ印象があるかもしれないが、中身に暴論めいたものは無い。 1〜10章は、特定の事案を題材にした各論。 終章では、「法の支配」に焦点があてられる。 著者は次のように言う。 「法の支配」の実現に尽力することで発生する、目に見える<現世利益>は、「人の支配」によって生み出される<それ>と比べて、あまり期待できない。 だからといって、裁判所が<現世利益>を優先することは許されない。「法の支配」が機能不全に陥った場合には、歪(いびつ)な「人の支配」を招き、その結果、最も被害を受けるのは、権力者以外の将来世代の人々である。 裁判所が憲法の期待する「法の支配の番人」として適正に役割を果たすことは、永続的な課題である。
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