・課題の指摘部分は納得できるものが多かったですがそれは多くの人が知っている常識の類だと思いました。本書で「なるほど課題はそこか!」とか「そういう提言があるとは」なんてことは1点もありませんでした。凡庸です。
・課題の掘り下げ方や処方箋が、Mr.円と呼ばれた日本を代表する財務官僚の著書だとは思えないくらい底が浅く感じされました。読者に合わせているのかそもそも官僚とはこの程度のなのかは判断できませんが。ココに書かれている政策提言を実現しても問題の根本解決にはならないと思います。
・浅く感じられたという象徴的な例を挙げればアメリカが没落するの項はゴールドマンサックスのアナリストのレポートをそのまま引用してインドや中国に抜かれるみたいな。少し投資を勉強した方ならもう3年くらい前に通り過ぎたレベルだと思います。
・また日本は技術立国を目指して技術者を企業が正当に評価し、優遇しなければならないと書かれています。それはその通りだと思います、ではなぜ実現できないのか?榊原さんは「企業に努力して欲しい」で終わってしまっています。
−例えば、素人的に思うところを書きますが、50人以上も博士がいるような日本を代表する日立の売上高営業利益率は2%です。アメリカのどの企業でも良いですがたとえばアップルは10%以上です。桁が違います。中身は東芝のHDDであるipodがアップルというブランドを付けただけで飛ぶように売れる。
−経営戦略論の視点でいえばそれは「日立もソニーも経営者に戦略が不在で無能だからだ!」と言えたりしそうです。そして、技術者のような人材資源含め、有り余る資産を有効活用もできないのに株の持ち合いや買収防衛策を講じて”ゾンビ”として生きながらえている。
→そういった技術者を厚遇できない根本的理由があるわけで、そこにメスを入れない限り問題は解決しないと思いますが榊原さん、いかがでしょうか?