本書の内容は、海外で年々増加していく日本信奉者たちの具体的な紹介と、それに対して冷ややかな反応の日本人に著者が必死に呼びかけているものだ。
日本人の反応は、「彼らはマンガやアニメそれ自体が好きなだけであって、日本に興味があるわけではない。年齢を重ねればマンガ・アニメへの興味を失っていく」というものが多いという。国は、あいかわらず伝統文化の紹介にはお金を沢山かけるが、マンガ・アニメといった、いわゆるサブカルチャーの紹介には雀の涙ほどのお金しかかけていない。
国だけではなく、民間の人達も「官は余計なことをせず、あるがままに放って置けばよい」と考えている人がいるのには失望させられる。
日本人の間には、マンガ、アニメ、コスプレ等はオタクの趣味、一段下のサブカルチャーであり、恥ずかしいものという認識があるのではないか。著者は文化に、ハイカルチャーもローカルチャーもない、文化は文化であると述べている。
海外ではコスプレや原宿ファッションを好む人達の間に断絶はなく、同じく魅力的な日本の文化として捉えている。最近はJ-POPならぬJ ロックも人気だという。「アニソン」の人気も言わずもがなだ。彼らは日本に行きたいと熱望しているが、秋葉原や原宿だけでなく、従来の奈良・京都にも行きたいと思っている。要するに日本が好き、なのである。
活気溢れる海外のイベント会場にスタッフも含めて日本人はほとんどいないという。日本は最大のビジネスチャンスを逃している。海外の株主に奉仕するだけのかっての大企業に日本人を豊かにする力があるのか。
かって浮世絵は商品の包装紙として使い捨てられた。今また日本は自らが生み出した「文化」の価値に気づかず同じ間違いをおかしている。ブラジルの女性の「考えれば考えるほど、知れば知るほど、日本のものが好きという結論に世界中の人が達する」という言葉をあなどってはいけないと思う。