全編を通じて著者の「サッカービジネス」への熱い思い
が感じられて、「サッカーを日本でもっとメジャーなスポーツにしたい!」
という情熱に心を打たれた。
しかし、1箇所、著者のサッカーに対する大いに間違った認識が感じられ、
著者があくまで「サッカー」を「ビジネス」としてみているだけで、
ものすごく冷めた。
また、この認識こそが、
「TV放映時間を優先し、コンディションの悪い時間で競技を行わせる」
等の昨今のビジネス優先主義を助長している諸悪の根源であることが理解できた。
その記述とは、
「05年のクラブワールドカップで、知名度の低いチーム同士の試合の動員を増やす為、
シドニーFCへの三浦知良の移籍が成功するよう協力した」との記述である。
(翌年のオークランドシティへの岩本輝雄の移籍も同様の記述がある)
著者の立場はあくまでサッカービジネスとして、ピッチ外での働きによって
サッカーを如何に成功させるかを考える立場であって、
ピッチ内にまで差配を及ぼし、成功へ導く立場ではないはず。
この一部さえなければ、素晴らしく良い本だと思ったのに、大変残念。
またついでにいうと、最後に唐突に始まる著者の仕事術に関する記述は
「メールはダメ。一緒に酒を呑み交わしコミュニケーションを図ろう!」
などと年輩者の精神論でまったく役にたたない部分。蛇足。