最近、日本の航空界では新型機( B737-NG, B777-300ER, B787, A380 etc )に関心が
集まりがちであるが、本書は、もう四半世紀前から日本の空を飛び続けている B767 に
焦点を当て、当機がいかに日本の民間航空事情に適合した機体であるかを解説する。
80年代のデビュー当初は B747-SR や DC-10 の影に隠れた感があり、それら花形機が
退役した後にはすぐ B777 の時代に入ってしまったため、B767 について、搭乗した方も
含めて特段の感情を抱くひとは殆どいない、まるで黒子のような地味さである。
しかし B767 という機体は、日本各地の地方空港に離着陸でき、ハワイまで飛べる性能を
有し、そして何より日本では四半世紀の間に営業中の重大事故がゼロであるという事実、
またハイテクを駆使したコックピットや、低騒音・低燃費の高性能エンジンを装備するなど
旅客機としてまさにオールマイティで質実剛健な姿に、改めて名機であるという認識を
新たにするに違いない。
そうした日本民間航空界の縁の下の力持ちでいまもあり続ける B767 を詳しく知りたい方
には、是非オススメしたい一冊である。