集英社で「小説フランス革命」絶賛出版中の佐藤賢一さんと、ちょうど過剰なメディア露出を控えた頃の池上彰さんの対談。
「小説フランス革命」を読んでいる者には、革命自体の紹介はやや浅いが、作者の込めた想いを知る機会はなかなかないので、その意味では価値がある。
二人の対談は、ひたすら拡散を続ける。それが池上さんの持ち味ではあるのだが、その拡散した話題を全て全てフランス革命でフォローする佐藤さんは結構無理している。
たとえば、タイトルの1/2革命だが、それを明治維新に当てはめて、進み具合が半分だったから1/2というのは分かる。しかし、同じ切り方ではGHQ改革を捉えるのは明らかにオカシイし、8.15革命というのも随分な持ち上げだ。
ましてや、少なくとも日本では、その世代だけの想い出にしかなってない1968年を1/2革命とするのは、あまりにセンチだろう。
そうした???は、小沢一郎をミラボーにたとえる類にも現れている。この話題は、最近の週刊文春で佐藤優さんと鹿島茂さんとの鼎談でも使われていたが、本書で、そうしたナゾラエが「冗談半分」と分かりホッとした。
ミラボーと小沢一郎の共通点は、貴族=2世議員とか、革命初期の大物なんてことではなく、賄賂・不正を巡る噂が絶えないこと、追いつめられたときの強弁なんてあたりにも思ったりするが
ただ、フランス革命という「最も熱く言葉が交わされた」存在に触発され、佐藤さんが小説を離れて、本音トークしているのはよかった。終盤の日本への想いには、全てには共感できないが、気持ちはすごく伝わってきた。