著者の上野氏は上野の科学博物館で研究員をしていた人物。本書は、上野氏がひとりで書き始めたのだが、多忙などの理由で執筆が進まず、途中から弟子の坂本氏に手伝ってもらい、10年近くかけて書き上げたという。
各項のタイトルは「シーラカンスとハイギョ」、「ハモとウツボ」、「コイとフナとキンギョ」、「メダカとトビウオ」などとなっており、2、3種類の魚を取り上げ、その分類学上の位置づけについて、分かりやすく解説してくれたもの。コイとフナであれば、その相似性は誰もが認めるところだろう。実際、ごく近い種類の魚だという。では、ハモとウツボはどうか。形態はよく似ている。しかし、分類としては遠く離れている。それなら、メダカとトビウオはどうか。これがなんと近い仲間なのだという。そういった例が、化石を用いた研究、骨格の比較、生態などを紹介しながら提示されていくのである。
最新の分類学的な学説が盛り込まれ、科学的にも穴がないのが嬉しい。安心して読むことが出来る。
ただ、内容がやや羅列的。また、各項が5、6頁という短さで、あまり詳しく語られていないのが不満。