どんなに深刻な社会問題であっても自分に直接関係のない話には興味や実感がわかないし、自分のことで忙しいときに社会のことばかり考えているわけにもいきません。そんな中で、テレビや新聞で「識者」とされている人たちがもっともらしいことを言っていると、「そうか、なるほど」と、安直に分かったつもりになってしまいます。そういう時、一方的に支配的な意見に流されずに、少しは自分の頭で考えておくための参考資料として使っています。
この本には、各論点になるべく異なる複数の意見を掲げようとする配慮があるし、各論者のプロフィールが載っているので、それぞれの主張の大まかなマッピングができ、とりあえず自分はどのあたりに立場を取るかを決める手助けになります。
また、「筆者が推薦する基本図書」のところも案外馬鹿にできなくて、臆面もなく自著を薦める人なんかはいまいち公平な視点に立っていない気がするし、争点と直接関係のない文学作品なんかが載っていると、その人のものの好みや性格もある程度つかめます。