久しぶりに日本の神話を通読した。因幡の白兎、ウミヒコヤマヒコなど部分的には承知しているお話も、他のストーリーと合わせて「日本神話」として総合的に読む機会は、あまりないものだ。
日本の神話が現代人と無関係でないこと、つまり、過去と現代の日本人全員と日本神話は関係しているとの体系的なものの見方を著者がしているのが印象的だし、それこそがこの本のセールスポイントだと考える。皇室と国民ひとりひとりとの間の、神話を通じた関わりについて言及している最後の「おまけのページ」には感動した。日本人のアイデンティティーに目を向けることを促す書籍が増えてきたのは昨今の重要なトレンドだと思う。
他人への思いやりの大切さや、どういう振る舞いが「恥ずかしいこと」だと思うか、など、現代日本人が引き継いでいる国民性が神話の時代からつながっていることを知ることは大事なことだと思う。外国の人たちと日本人との国民性の違いを考える原点ともなる。
この本は全国の小学校の夏休み課題図書に指定すべきだと思う。本書により、幼いうちから日本人の祖先が大事にしてきた価値観に慣れ親しむことにより自らの「立ち位置」を認識すれば、上級学校に進んでからの日本史・世界史や政経の授業への理解も深まると思う。
章毎の挿絵もかわいらしくて好印象。また、大きめの文字で子どもにも読みやすくしている配慮もよいと思う。文体もわかりやすく、抵抗なく読める。この本を、皆に勧めたい。