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日本の神話・伝説を読む―声から文字へ (岩波新書)
 
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日本の神話・伝説を読む―声から文字へ (岩波新書) [新書]

佐佐木 隆
5つ星のうち 4.7  レビューをすべて見る (3件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容(「BOOK」データベースより)

古事記、日本書紀、風土記などに載っている上代の神話・伝説は、日本霊異記、今昔物語など平安時代以降の説話とはまったく違う特徴をもっている。スサノオノミコトの大蛇退治等の神話・伝説を読みながら、音の連想や書き手・聞き手の想像力がストーリーに反映する、その特徴を明らかにし、豊かな口承の世界の深層に迫る。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)

佐佐木 隆
1950年青森県に生まれる。1981年学習院大学大学院博士課程単位取得退学。専攻は古代日本語学・古代文献学。学習院大学文学部教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

登録情報

  • 新書: 237ページ
  • 出版社: 岩波書店 (2007/6/20)
  • ISBN-10: 4004310784
  • ISBN-13: 978-4004310785
  • 発売日: 2007/6/20
  • 商品の寸法: 17.2 x 10.6 x 1.4 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.7  レビューをすべて見る (3件のカスタマーレビュー)
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By 宣長さん トップ50レビュアー
形式:新書
 神話・伝説をただストーリーをたどっただけでは見えてこないものが本書には説明されている。神の名、物の名、すなわち古語の発音・意味を説きほぐしてくれているので、納得がいく。
 たとえば、食物神の死体に生じていた五穀を献上した神は、「天熊人」という名をもつが、この神名の「熊」は宛字であり、「くま」は「神に供える穀物」という意味の古語である。また、月神の名は「月読」と言い、「月齢を数える」の意を表していたが、近い発音の連想で、「月夜見」という名もできた。このように、古代の伝承には、物の性質をよく反映した名や、同音・類音の連想によったもの言いが多い。本書はそれを大切にして述べられている。
想像力が伝承を生み出す…景行天皇の婚姻伝説…印南/否び妻/犬。
伝承の世界を読む…須佐之男命の大蛇退治…奇し/櫛/酒。
伝承の深層を探る…鏡の呪力が蘇らせた男…鏡/大伴狭手彦/弟日姫子。
 
 本書で取り上げている神話・伝説はほとんどが神・天皇にかかわるもので、長短織り交ぜて多岐にわたる。これが平安時代以降になると説話形態となり、人間的になる。その橋渡しになる「箸墓伝説」を本書終章で取り上げ、「神・神なるもの」と「人・人なるもの」との違いを考えさせられる。 
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5 人中、5人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By ringmoo トップ500レビュアー
形式:新書
「古事記」「日本書紀」「風土記」という書物の名前は知っており、その中に記載されたエピソードも有名なものは知っているという程度だったのですが、この本は、そうした書物への関心を遺憾なく掻き立ててくれました。
著者は、副題につけられている通り、これらの書物に「声から文字へ」と迫って行きます。もともと口伝伝承されてきたものを、文字に表し纏めたものであるのですが、その際、その置き換える漢字によって、様々な解釈が成り立ちうるということを初めて知りました。
そもそも日本語の「音」が、古代にはもっと多く67音もあったとは、全く知りませんでした。
それだけに、この本に書かれ、解説された様々なエピソードについて(その一部は既知のものでしたが)、実に新鮮で目を洗われるような気がしました。
これを切っ掛けに、少しでもこれらの書物に親近感を持って接したいと思いました。
このレビューは参考になりましたか?
3 人中、3人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:新書
「古事記」「日本書紀」は元々口伝で伝えられてきたものを、文字を使って書き起されたものである、ということを強調した一冊。そのことが良くわかる例として、神の名を挙げている。古事記、日本書紀のそれぞれにおいて、同じ神に複数の名が与えられているのはなぜなのか。それこそ、物語が語り継がれてきたことの証拠に他ならない、文字ではなく、音で伝えられてきたことに原因がある、と筆者は述べる。

また、音で伝えられてきたがゆえに、文字の上で読むだけでは把握しきれないこともおおい。例えば有名なヤマタノオロチの物語で、大蛇に食われそうになるクシナダヒメの両親「足名椎・手名椎(アシナヅチ・テナヅチ)」の名は、助詞「の」にあたる「ヅ」と霊を意味する「チ」からなり、「娘の手足を撫でて慈しむ者」の意味が込められていると説く。さらに、この「ナヅ」という音は、クシナダヒメの「ナダ」と言う音とも密接に繋がっている。

このように、音として伝えられてきたからこそ、一見つながりがないように見える登場人物や登場する地名に意味が込められ、また語り継ぐのに適した形式になっている、という内容は、すでに古事記・日本書紀を読んだことのある読者にも新鮮に感じることだろう。本書を読後、もう一度原典を読んで解釈する楽しみに興じてみたくなる一冊である。
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