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日本の無思想 (平凡社新書 (003))
 
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日本の無思想 (平凡社新書 (003)) [新書]

加藤 典洋
5つ星のうち 4.3  レビューをすべて見る (10件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

メタローグ

著者は戦後日本のタテマエとホンネという考えを、その背後にあるニヒリズムを隠蔽する欺瞞装置と考え、その由来を日本近代以来の「内と外の分断」、近代全体がもつ「親密なるものと公共性」、さらには日本の古代人の屈服の姿から掘り起こす。言葉とは信念を伝えるものなのだけれど、日本ではこの言葉が信じられていない。日本にはこの言葉が力をもつ空間=公的なものがないからだ。著者が本書でなしたいことは、言い古されたこの「公的なもの」を、僕らが初めて聞いたことのように新たに語り直すことなのだ。カント、マルクス、福沢諭吉の公-私観を経て、戦後日本人はいかに語ることができるかの方向を示す。(中山修一)
『ことし読む本いち押しガイド2000』 Copyright メタローグ. All rights reserved.

出版社/著者からの内容紹介

なぜ、日本で思想は死ぬのか──敗戦後を生きる私たちが独自の思想を持つことができないのは、「タテマエとホンネ」に囚われているからだ。話題の著者が送る論争必至の一冊。

登録情報

  • 新書: 296ページ
  • 出版社: 平凡社 (1999/05)
  • 言語 日本語
  • ISBN-10: 4582850030
  • ISBN-13: 978-4582850031
  • 発売日: 1999/05
  • 商品の寸法: 17 x 10.6 x 1.8 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.3  レビューをすべて見る (10件のカスタマーレビュー)
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7 人中、7人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0 該博な知識と斬新な視点, 2002/5/10
レビュー対象商品: 日本の無思想 (平凡社新書 (003)) (新書)
   日本を「了解の共同性」と捉え、そのような社会においてはタテマエとホンネを適当に使い分けながら生き延びることが重要であり、真実だとか信念だとかは二の次になるという話から筆者は始める。そこでは、二枚舌や二重構造も当たり前のように存在し、人々は何が本当で何が嘘かということに関してはたいして興味をもたなくなる。

 重要なことは、そういうニヒリスティックで日和見的な社会では、個人から生まれる切実な信仰や思想が育たないことである。そして、ついには、言葉は何の力ももたなくなるだろうと筆者は警告する。たとえば、「踏み絵」で命を落としたキリシタンを理解することは、そういう人々にとってはまったく理解不能な事件だろう。

 そして、アーレントの話へとつながってゆく。「言葉が!!死ぬと、人間から公的領域というものが消える、公的領域が消えると、生きることの意味が消える、その結果、人は、単一なものに対する対抗原理を失い、最終的にはある種の全体主義を呼び寄せてしまう」。考えられたことは必ず発語されなくてはならないのだ。

 該博な知識と斬新な視点があいまった筆者独自の知の快楽を、廉価な新書版で楽しむことができるのはありがたい。読みながらこれだけ楽しめる思想家はそう多くはないのでは。

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17 人中、14人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0 保守の仮装を纏ったラディカル, 2005/9/7
By 
daepodong (DPRK) - レビューをすべて見る
(VINEメンバー)   
レビュー対象商品: 日本の無思想 (平凡社新書 (003)) (新書)
 第一章「戦後の嘘」の話は面白いです。ホンネとタテマエ、というところから、日本の思想についてどういう風に語っていくのかと思いきや、第二章、第三章と進むにつれて面白くなくなります。というのは、読んでいて、「公と私」の話題になると必ずといっていいほど引用されるアレントの読みがアマい、とか、やはりこれはキリスト教圏の議論であり、輸入され変形された疑似民主主義が跋扈跳梁している日本にはカントにせよヘーゲルにせよ適応不能だろう、という感がだんだん強くなってくるからです。
 ところが、第四章になると、その面白くないと感じた理由がはっきりします。それは、著者自身もわたくしと同じようなことを考えていたことがわかるからです。西欧の啓蒙主義の延長上にある議論をそのまま日本で主張しても説得力がない、と著者は言います。そして、その打開策として、伝統文化のひとつにヒントを求めようとします。

 著者の主張は一見保守的に見えて、実は日本の思想をラディカルに変革しようとする意図を秘めています。その意味では、著者を右にカテゴライズするのは誤読というものだと思います。
 議論は面白いのですが、最後に著者年来の主張である「押し付け憲法論」に回帰してしまったのは、どうにかならないか、と思ったりもします。もちろん、著者の言う押し付け論は、保守の方々のように、再軍備や靖国条項を含んだ自主憲法の制定、という議論とは色合いの違うものであることは、著者の名誉のために付け加えておきましょう。しかし、著者の別の著作に親しんでいる方にとっては、「またか・・・」という感想を持たれるのもやむなし、という気がしますが、いかがでしょうか。

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20 人中、16人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0 ホンネは本当じゃない, 2002/8/15
By カスタマー
レビュー対象商品: 日本の無思想 (平凡社新書 (003)) (新書)
タイトルは日本の思想・宗教史のようであるが、中心となっているのは、タテマエとホンネという日本独特の思考構造の分析といってよい。著者は、一般の通念に反し、ホンネが本心や信念とは全く違うものであるという。ホンネとタテマエはセットになってはじめて意味をなすもので、「どっちでもいいや」という投げやりやニヒリズムに基づくものである、との指摘は卓見である。結果的に、本心や信念を持つことの放棄となっているわけだ。こういった卑屈さやニヒリズムは、近代に入って怪しげな「公」の概念が信じられてきたことにも一因があるとされる。福沢諭吉の「立国は私なり、公にあらざるなり」(「痩我慢の説」)という言葉が取り上げられ、真に「公的なもの」の確立には、本心や信念としての「私情」がベースだということが論じられる。本書は様々な卓見を含んでいるが、著者自身も言うように、確かに文章は分かりにくい面がある。博識のため話題があちこちへ行き、文脈がつかめず主旨がぼやける部分がある。例え話まで分かりにくい。よい内容なだけに、やや残念である。
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