本書の構成は兵頭氏得意のQ&A形式である(ストレスフリーに読める)。
論考は日本の地理的条件、農業文化の呪縛から始まって、鉄道・海運・航空機の発達による
戦争の質的変化、それにともなう国家間の条約(法律)の変遷にまで多岐に渡る。
そしてそうした変転する諸条件に日本の指導者層はいかに対応したのかが綴られている。
登場する欧米露列強や日本の政治家・軍人等に対する記述や評価は実に興味深い。
近代日本の興亡を1つのストーリーとしてこれほど見事に自分に得心させてくれたのは
本書が初めてだ。
「日本の防衛力再考」以来、氏の著作はほぼ全て目を通しているが、これは真に労作だと思う。
自分でイチから考える人でなければ書けない本である。
そもそも何故日本が朝鮮半島や中国大陸を指向せざるを得なかったのか?
という疑問があったのだが、それがやっと理解できた。
また当時の鉄道輸送の重要性がよくわかった。
「軍学者」の面目躍如である。