日本の安全保障を軍事・外交両面から具体的な根拠を伴って冷静に評価している良書。日本が抱える安全保障に関わる課題と論争をここまで集約・網羅的に理解できる形でまとめることができている書物はない。この分野ではそれぞれの論点に係わって一般向けの書物としても数百もの書物がでており、一般の多くの人には、それらを読めば、その時々に、どの書物も説得力があると思える。そしてその書物を批判する他の書物を読まないかぎり、それが正しくも思える。ある意味でそれぞれの方が影響を受けたグループの言いなり的な読みしかできない人も多い。批判的な読みをできる能力こそ育てねばならないのに、ただただ自分(や自分を囲む集団)の好む読みを暗記し、その暗記した知識?で論争するやからも多い。
そうではない、批判的な読み方がこの書物をとおして初めて多くの一般の人に開かれたような気がします。田母神読者にもお勧めの本である。