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日本の弓術 (岩波文庫)
 
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日本の弓術 (岩波文庫) [文庫]

オイゲン ヘリゲル , Eugen Herrigel , 柴田 治三郎
5つ星のうち 4.5  レビューをすべて見る (30件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容(「BOOK」データベースより)

的にあてることを考えるな、ただ弓を引き矢が離れるのを待って射あてるのだ、という阿波師範の言葉に当惑しながら著者(1884‐1955)は5年間研鑽を積み、その体験をふまえてドイツに帰国後講演を行なった。ここには西欧の徹底した合理的・論理的な精神がいかに日本の非合理的・直観的な思考に接近し遂に弓術を会得するに至ったかが冷静に分析されている。

登録情報

  • 文庫: 121ページ
  • 出版社: 岩波書店 (1982/10/16)
  • ISBN-10: 4003366115
  • ISBN-13: 978-4003366110
  • 発売日: 1982/10/16
  • 商品の寸法: 15 x 11 x 1 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.5  レビューをすべて見る (30件のカスタマーレビュー)
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61 人中、59人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
本書は、中島敦「名人伝」のような弓の求道を、日本の達人に師事して達成したドイツ人へリゲル氏の不思議な実話(1926〜1931)です。日本人にとっても、奥義は、不合理・非論理・神秘に思える。それを論理的な西洋人が求めたのですから稀有な出来事です。

 「あなたは弓を腕の力で引いてはいけない。心で引くこと」や「あなたがまったく無になる、ということが、ひとりでに起これば、そのとき正しい射方ができるようになる」、非合理と神秘に満ちた修行の体得に4年間を要したのは頷けます。

 最後の課題「的を射る」は超難関でした。「的を狙ってはいけない。心を深く凝らせば、的と自分が一体となる。自分自身を射なさい」にへリゲル氏は不可能感を抱き、完全に行き詰まる。阿波師範は「的を狙わずに射中てることなどできる訳がないと思う不信感」を除くために、深夜に実演してみせる。微かな線香の灯が方向を示すだけで、的は暗がりの中に没し見えない。師は2本の矢を続けて射た。へリゲル氏が確認すると第一の矢は的の真ん中を刺し、第二の矢は第一の矢の軸を貫き、第一の矢軸を2つに割っていた。師範は言う「こんな暗さでいったい狙うことができるものか、良く考えてごらんなさい。的の前では仏陀の前に頭を下げると同じ気持ちになろうではありませんか」

 ヘリゲル氏は驚愕したに違いない。以来、疑うことも問うことも思い煩うこともきっぱりと諦め、精進した。こうして、苦節5年間の後、「無の射」を体得した。その完成の域が「不射の射」であることも理解したという。長い歳月を経て、氏は死の直前、出版予定だった弓道と禅思想に関する自身の膨大な原稿を燃やした。そして安らかに亡くなったという。師の教えに従って無に抱かれたのでしょう。

 ほとんどの日本人には、何らかについて名人・達人になる素質があると思います。技術であれ、スポーツであれ、芸術であれ、何かを極めようとする場合、本書は貴重な参考情報を提供してくれるのではないでしょうか。
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27 人中、26人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
著者はドイツ人哲学者。ふとした契機で日本に長期滞在することになるが、これを機に従来より西欧言語で解明することに限界を感じていた東洋の思想の一端を理解するために、近代日本において弓聖と呼ばれた阿波研造氏に師事し伝統的な弓術を学ぶ。東洋的な精神文化の根本を「禅」の中に見出そうとする著者が、6年間に渡る苦難の稽古の末に彼なりに見出した東洋的「価値」あるいは「自」「他」の認識を、帰国後一冊の書物に著した。西洋人であるにもかかわらず彼の洞察・理解の深度は一般的な東洋人のそれをはるかに凌駕していると言える。友人である訳者の類稀な力量を差し引いても、著者の東洋思想に対する正確な認識は脱帽モノである。師の言動によって自身の精神に引き起こされる葛藤を、西欧的な論理思考と科学的知見を武器に説明し尽くしてみせようとする徹底的な哲学志向が、逆に東洋的な世界観を体得するための十分な下支えとなったことは新鮮である。西洋人と東洋人の間に横たわる認識論上の差異の一面を、弓術という行いを通じて解明した名著。うすっぺらくてすぐ読めるのでおすすめ。
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11 人中、11人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By jiateng4 トップ1000レビュアー VINE™ メンバー
Amazonが確認した購入
日本の伝統武術を、単なるスポーツと捉える外国人が多い中で、著者は初めて精神世界の領域における武術の神髄を理解した外国人であろう。

そこに至るまでのプロセスは、現代に生きる我々が持つ疑問と全く同じものである。

それを阿南師範は、懇切丁寧に教えるのではなく、他の日本人生徒に対するものと同じく、「心を無にせよ」というような抽象的、観念的な説明しかしない。

このような状態において5年間も、修行を継続した著者には大いに敬意を感じると共に、果たして自分が同じ状況においてそこまで頑張れるのか?という疑問も出てきた。

また、本書は禅や般若心経の心を理解するにも有効であろう。
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