今年2008年は日本天文学会が創立してから100周年という大きな節目の年であり、その100周年の記念事業の一環として、日本天文学会のみならず我が国における天文学全体の100年の歩みを研究者のみならず広く一般に向けて普及する目的で編纂されたのが本書です。
内容もハードカバーでかつ380ページ近くあるだけに、モノクロ・カラー問わず口絵の写真はもとより、日本の天文学が辿ってきた歴史やその中で生まれた研究成果並びに最先端の研究状況、天文学の社会への普及に関する事や天文学界における大家ともいえる研究者へのインタビューまでが幅広く取り上げられて充実したものになっており、日本の天文学が築き上げてきた成果を紹介しようとする意気込みが伝わってきました。
一読して思った事としては、本文に関していえばモノクロとはいえ写真や図表などを多用して難しい計算式は見られず、今まで天文学に対してあまり関心を持っていなかった人が読んでみても分かり易く書かれているという事です。この事には前述したように我が国における天文学の研究成果の普及という観点もあると思いますが、一般に存在する概説書以上の内容で教養分野の教科書をハードカバーにしたものと感じられました。
ハードカバーで大きさはB5程度だけに持ち運びしやすいとは言えない本ですが、一般向けの入門書・概説書を通して宇宙や天文学に関心を持った方は一読してみる事お薦めします。