この本を読んで痛感させられた事は、政治をやって居るのは、人間だと言ふ、至極当たり前の事であった。人間がやる事なのだから、政治は常に連続して居る。−−戦後と戦前は、持続した一つの時代であったと言ふ事である。−−考えてみれば当たり前の事であるが、日頃、「戦前」を「戦後」と断絶した全く別の時代と考え勝ちな私の様な戦後世代にとって、この事を痛感させられた事は貴重であった。同時に、政治の世界で起きる事を単純に「善」と「悪」に区分する事が出来無い事も、この本を読んで、改めて悟らされた事であった。戦後の日本が、冷戦の下で、生き延びる為に「悪」が必要であったと言ふ事実から、私達戦後世代は目をそらして来たのではないだろうか。とにかく事実を知る為に、この本を読む事をお薦めする。
(西岡昌紀・内科医)