おりしも日本の排他的経済水域内で違法操業をしていた韓国漁船の取締りにあたっていた海上保安庁の職員2名が、接舷し飛び移った韓国漁船とともに逃亡される、という緊迫したニュースが報道されるなか読んだので、ひときわ身にしみた、タイムリーな本だった。
日本の国境はすべて海上にある。北は千島列島、南は沖ノ鳥島、尖閣諸島、等々。これらの海上国境を取り巻く歴史的背景と現状をつぶさにリポート、重い問題を投げかける。著者の論調はまったくの正論で、理路整然とし、大いに好感がもてる。「最果ての地で自衛隊の駐屯がなくとも、そこに生活している人々が日本の領土を保全しているのである」という言葉が重い。
それにしてもわが国の海洋政策のだらしなさは、何たる事か。この本を読むと、暗鬱とする。