著者は外交官経験を活かし,国際的で幅広い視野を持った考え方で,世界各国が抱える領土問題をわかりやすく説明しています。
これまで領土問題を意識していなかった方でも,容易く知識を取り込むことができます。
特定の国に肩入れする論調ではなく,我が国の近隣に存在する領土問題を,そのルーツから現在まで丁寧に説明しています。
将来に向けてのアプローチを提案する姿勢は,中立的で冷静であり,かつ積極的な国益論者の印象を受けました。
国家の主権は国民の意識によって大きな影響を受けると主張し,領土問題を単なる利害問題とせず,
建設的で有益な展望を国民の目線から意識付けるために,良いきっかけとなる本です。
ただ限られた文面で挙げたケースが多すぎたのか,一つ一つの分析がとても小さく簡略にまとめられた感があった。
深く掘り下げた論議に及ば買ったことが少し物足りなく星を4つにしました。
続編にぜひ期待します。