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日本の喜劇人 (新潮文庫)
 
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日本の喜劇人 (新潮文庫) [文庫]

小林 信彦
5つ星のうち 4.8  レビューをすべて見る (6件のカスタマーレビュー)

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登録情報

  • 文庫: 328ページ
  • 出版社: 新潮社 (1982/11)
  • ISBN-10: 4101158045
  • ISBN-13: 978-4101158044
  • 発売日: 1982/11
  • 商品の寸法: 15 x 10.6 x 1.6 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.8  レビューをすべて見る (6件のカスタマーレビュー)
  • Amazon ベストセラー商品ランキング: 本 - 263,601位 (本のベストセラーを見る)
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5 人中、4人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By 紫陽花 VINE™ メンバー
形式:文庫
ミステリ作家・評論家、中間小説作家と色々な顔を持つ著者のもう一つの顔、喜劇(役者)評論家の顔を表に出して「日本の喜劇人」を評論したもの。姉妹編に「世界の喜劇人」がある。著者は自身のユーモア味の濃い小説からも分かる通り「おかしい」ものへ貪欲なのだ。

ロッパから始まり、エノケン、渥美清、コント55号等が取り上げられ、まさに戦後の「日本の喜劇人」に関する教科書のようである。例えば、クレージー・キャッツのように個人的な親交のあった喜劇人もいた筈(著者は当時TVで台本等を書いていたのではないか)だが、著者の筆致はあくまで冷徹である。TVや映画で観る姿と裏に隠された姿とを冷静に分析している。

特に印象に残ったのは、「トニー谷」の項で、愛児誘拐事件の事は本書で初めて知った。八方破れに見える彼の芸の裏にある翳が見事に描き出されている。また、「コント55号」の項で、萩本欽一に辛口の批評をしていたのを、(後から加えた)最終章で再評価しているのも興味深い。

解説は色川武大氏(私は阿佐田哲也と呼びたいが)で、これも興味深い。日本喜劇評論史に残る名著であり、それでいて誰にでも楽しめる、お勧めの一作。
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6 人中、4人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:文庫
私がこの本を手にしたのは、もう30年も前のことになりますが、登場する喜劇人の多くは、既に故人となってしまいました。
エノケン、古川ロッパは当時でも伝説の人でしたが、渥美清、クレイジーキャッツも伝説となってしまいましたね。
でもこの本は、彼らの舞台や映画を観ていなくても、充分に読ませてくれます。
さて、その中で異色に思ったのは、宍戸錠です。
テレビのゲバゲバ90分やカリキュラマシーンといった、ギャク連発の番組に出演していましたが、まだまだエースのジョーのイメージが強かったので意外な人選に思えました。
松竹の喜劇映画に、主役で出ていたりはしていましたが..
「渡り鳥シリーズ」ってそう観るのかっ!て感じで非常に新鮮でした。
大袈裟かもしれませんが、この本を読んで視野が広がったような気がしました。
小林旭のことを無意識過剰、と表現してあったのにも笑いました。
ともあれ、ひとつの昭和史という視点から見ても、この本は名著です。
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3 人中、2人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By dvrm トップ100レビュアー
形式:文庫
 気まぐれに手に取った1冊だが、思いがけず素晴らしい著作に出会えた。
 ここで題材にされているのは舞台上で身体表現として演じられる「喜劇」という視点で括られた「喜劇人」群像であり、ここで語られている人々のほとんどの喜劇についてリアルタイムで目撃できなかった自分にとっては、この著作は上質の昭和史としても読める。
 CS放送の映画で観たエノケンや森繁久弥、フランキー堺やクレージー・キャッツ、渥美清や小沢昭一がその雌伏の時期から最盛期に置かれていた立場や状況、彼ら大立者と同時期にしのぎを削っていた喜劇人たちの消長、彼らを使って売り出したり、使わなかった興行界やテレビ界の人々、彼らの喜劇を楽しんだり楽しまなかったりした観客、そんな喜劇を巡る場を規定している日本全体の風潮、著者自身や長部日出雄など著者の友人の青春、様々な視点から楽しむことが出来る。
 以前車内でFMラジオを聞いていたときトニー谷の曲がかかり、笑いすぎて事故を起こしそうになったことがあるが、そんなアナーキーな芸風の彼の経歴や最盛期の行状を読んでいると驚くやらわらってしまうやらだったし、ドリフターズのコントの大部分が、ストリップ劇場で芸を磨いた脱線トリオのコントをそのまま拝借したものであること、あきれたぼういず・クレージーキャッツ・ドリフターズと続いていくジャイブ・ミュージックから喜劇への転進の系譜、子どもの頃から家族で毎年観に行っていた「男はつらいよ」主演の渥美清の複雑な胸中、60年代大阪の笑いの仕掛け人が二言目には口にする視聴率至上主義、それぞれ考えさせられるし、また、知り合いから鈴木清順監督「殺しの烙印」を見せてもらってそのシュールで、シリアスを通り越してギャグにまでなっている世界に目ん玉飛び出る思いをしたことがあるが、その主演である宍戸錠が喜劇人だという把握はなにか納得できる。

 そんなエピソードは読んでいて単純に面白いが、読み終えた今となっては、現在の「お笑い」に至る道筋とともに、そんな「お笑い」が「喜劇」の孕んでいた要素の幾つかを葬ったこと、ここで書き残されている「喜劇」のヴァラエティに含められている笑いのオルタナティヴの幾つかなどに思いが広がっていく。

 何にしろ、非常に面白く、楽しめて、考えさせてくれた1冊。
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