どのような分野にも画期的な著作が登場することがありますが、この本がまさにそれです。専門書ですが、書き方は明快かつ平易であり、医療の実務家や大学院生はもちろん、医療や政策に関心のある一般人、社会保障や医療を学び始めた学生にもお勧めしたいです。本書を読めば必ず「医療を超えて制度や政策の本質がよくわかった」という手ごたえが得られるでしょう。
内容は、問題意識と分析視角をシャープに述べた序章、日本の医療の歴史を手際よく述べた1部、医療制度をわかりやすく国際比較した2部、改革の方向性と政策のあり方を具体的に大胆に述べた3部に分かれます。歴史や国際比較の部分もすらすら読めるのは、著者のアクチュアルな問題意識が記述に精彩を与えているからです。読者に考え方と生き方の指針を与える、真に力のある名著だと思います。