本書は、日本の優秀企業の共通点についての研究書である。
筆者の主張は、日本の優秀企業には6つの共通点があり、それぞれ「ドメインが経営者が現場感覚を持っているものに絞られている」「流行の経営手法に踊らされず、自分たちで考えて経営に取り組む」「経営者が客観的に自社を見る経験を持っている」「企業に常に危機感がある」「事業リスクをヘッジしている」「社会に貢献することを優先する企業文化をもつ」である。
筆者は、トヨタ自動車や花王など、過去15年間、持続的に成長している日本企業約30社を選定し、それら企業の情報をインタビューを含めて収集し、帰納的に共通点を抽出している。
事例が満載で説得力があり、かつ経済学の理論ではどう解釈できるかを補論で取り上げている点も面白い。
6つの共通点に目新しさはないが、改めて重要性に気付かされるし、それを実行することの難しさも実感できる。
優れた企業の共通点を抽出するといった問題意識の研究は、これまで「エクセレント・カンパニー」や「ビジョナリー・カンパニー」「リビング・カンパニー」などがあったが、本研究もこれらに匹敵する内容だと思う。「日本」の優秀企業としているが、日本特有ではなく、世界標準としても構わない点が抽出されているのではないだろうか。
経営者の方には、必読書と言えるだろう。