1929年にアルス社から出た『日本神話伝説集』の復刊。
子ども向けに出版されたものだが、とても子ども向けとは思えない。「片目の魚」、「山の背くらべ」など、日本全国に共通して見られるモチーフをいくつも紹介し、解説を加えている。学術的な内容。
また、『日本の昔話』の姉妹編とされるが、内容・体裁はかなり異なっている。『日本の昔話』は、物語集の体裁をとっているが、本書はそうではない。行われているのは伝説の分類・分析なのである。読み物としての楽しみ方は出来ないと思う。
とはいえ、日本の伝説について考えるうえでは、非常に刺激的な一冊。どうして日本の各地に似たような伝説が残っているのか。柳田が示してくれる分析は実に興味深い。