フランスの若者が労働組合とタイアップして実際行動で意思表明をし、若年者の就職後2年間の解雇は自由といった新しい若年雇用策を覆した。それでフランス若年者の雇用状況はいかがなるのか。フランスの若年者の失業率は高い。それはフランスの高学歴化の影響を受けてのことでもある。今回の意思表明の中心にいた学生たちは、卒業後、どのような勤労生活を送ろうとしているのか。本書にその一端がうかがえる。
ひるがえって日本の若者の雇用はいかがなるのか。いま、新卒者は売り手市場だといわれる。日本で若者の雇用問題はもう解決したのだろうか。
そのような問題を考えるには、この本を読むのがいい。景気がよくなり、新卒の就職率が高まっても、「経済的な阻害要因が改善されない限り」非正社員は減少せずに問題解決は難しいだろうというのが本書の基本見解である。
対応策としては、ひとつには非正社員の「対等待遇」を制度として確立することとしている。ヨーロッパ各国の非正社員比率はかなり高い。しかし、正社員と非正社員の賃金格差は20〜30%に止まっている。日本はそれが50%ほど。ともあれ、ここを修正することが現実的な対応策だという。
さらには、職業教育・訓練の強化。大学での職業教育を充実せよという提言は重要だ。これまで日本で「職業訓練」はあっても「職業教育」はなかったと評者は考えている。その現実を重視し、職業教育の確立に教育、労働組合(労働者)、企業のそれぞれの部門が連携して本気で取り組むべきだと本書を再読しながら思った。