普段我々が、何気なく使っている「言葉」というものが、いかに定義が曖昧なまま使われているかを明らかにし、言葉のそもそもの由来にさかのぼって分析していく事を試みた、小論集だ。だから、「日本のタブー」という表面上のタイトルに期待をしてしまうと、ちょっと肩透かしを食うかもしれない。
為政者が言葉を変える事によって、その本来の意味を覆い隠そうとしたものもあるが、我々自身が、深く考える事なしに言葉を使う事によって、本来の真実から離れた認識に陥っている場合もある。
本書の最初の1/3弱は、副島氏による、人文科学や、西洋のルネサンスについて、一般に陥りやすい誤解をただして、啓蒙せんとする小論となっている。古典的な文芸で扱われたテーマや、言葉の、そもそもの由来を、具体的につまびらいてくれる。
本書の後の2/3強は、副島国家戦略研究所のメンバーにより、それぞれのテーマをもとに、副島氏の手法にならって、言葉の本来の意味を紐解き、そこから真実に到達しようと試みた、小論がおさめられている。
扱われているのは、優性思想、安楽死、薬、不老不死、金融工学、ポジティブ、論理思考、教育、リベラル、説明責任、税金、法の支配、ロビー活動、正規分布、人口、石油の、16のテーマだ。
短いのもあれば、長いものもあり、レベルもいろいろあるけれども、学者ではなく、既存の枠にとらわれず、独特の切り口で、自由に、真理を求めようとする人達が増えていくのは、素直に応援していきたい。