本書は、日本の技術者を取り巻く企業や顧客の現状を『ソフトウェア産業を事例として示すもの』で、本書中の内容と同様のことが他の産業でもおきていると考えられます。技術者を取り巻く「技術を専門としない人たち」の知識レベルの向上が、現状の改善につながるひとつの方法であることを再確認させられました。また、情けない行政担当者の事例が紹介されていますが、今日、ニュースとなる様々な行政がらみの事件と同根のものであることに気づかされました。
なお、本書の題名だけ見て「ソフトウェア産業は・・」と、短絡的に将来の進路を決めてしまう人がいないか、と少し心配になりました。書籍の題名は売上に関ることから、多くの場合、出版社の決定事項ですが、本書の題名はあまり考えられていないようで、内容を正しく表していないと思います。
人の役に立つものを作り上げる喜びは、技術者でないと味わえません。技術者や技術者を目指す人だけでなく、日本の科学技術や産業振興政策について関心ある人にも読んで欲しい本です。