「ん、なんだこりゃ。要するにエロ小説か・・」
と僅かに不信感が芽生えそうになりつつも、『俗っぽい』おもしろさとスピード感で、
なんだかんだと、どんどん読み進めたくなる。
3割くらいのページを過ぎたあたりから、
変態レベルがかなり強烈になっていき、
「んー、なんだこりゃ。要するに変態暴力描写本か・・」
とまたも僅かにへんな不安が芽生えるが、
とりあえずまだへんなレッテルを貼らずに読んで行こう、
とページが進む。
というより、過激な不快感よりも、好奇心が勝り、どんどんページが進む。
(不快感が勝ってしまう人もいるかもしれない)
そして、後半。
ガラッとエロが消えて、
裁判が進んでいく。
カラマーゾフの兄弟へのオマージュか何かか・・。
それにしても、超過激な変態エロと暴力でバキバキだった前半から、
強烈なトーンダウン。
このままもうエロもなく、静かに進んでしまうのか、
と、妙な残念感(笑)をちょっと感じながら、
やはり展開がおもしろくてどんどんページが進む。
そして、最後の方は、愛なのか、何なのか・・。
読み進めながら、その「俗っぽい」感じに「いまいちかも」という不安を感じつつ、
時間差でその不安は消え、おもしろさが勝っていく。
そして終盤では、その時間差がなくなった。
前半のへたすりゃ不快なエロや暴力、
後半のへたすりゃ地味な嵐の後の静かさ、
とても必要な落差だったんだと思う。
全編に流れる、男と女の俗っぽさ、相手を求める切なさ、そして愛、もしくは愛のようなもの・・。
僕はここに描かれている、現代ニッポンの「俗っぽい」空気がなんとも愛おしい感じがします。