コリン・マレー女史のたくさんあって、写っていればOKでしょうというような玉石混合の「アジサイ図鑑」を見た後で、この「日本のアジサイ図鑑」を開くとなぜかほっとする。同じ品種であってもコリン女史のそれとは別物に見えることもある。品種の特徴がベストの状態で確認できるよう、花の盛りに丁寧に撮られたアジサイは上品で美しい。今迄のアジサイの図鑑では品種が少なすぎて不満だった人にも喜んでもらえそうだ。
新しい品種を探す人にも、もう増やせないけどたくさんのアジサイの花を見てみたいだけの人にも、写真とそれに付けられた短いコメントは興味深いだろう。樹高についての記述もありがたい。今迄、一重、八重、モコモコのハーモニーと大雑把に区別していただけのカシワバアジサイにも、様々な品種があることもわかった。ノリウツギに関してはコリン女史の図鑑の方が多いが、品種の特徴はわかりやすいとは言えなかった。
長く多くのアジサイを楽しむための開花時期の一覧や、生け花や、盆栽、全国のアジサイの名所まで、いたれりつくせりだが、病害虫についてはもう少しくわしい本が必要かもしれない。
この本は、アジサイ好きの人には、枯れずに長く楽しめる花束のようだ。すてきなプレゼントとしても使えるかもしれない。